yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

滋賀県の食料自給率の不思議


やまけんさんが、食料自給率の数字から見える大問題について深刻に書きとめておられましたが、今年の夏の暑さや異常に激しい雨に、私たちはもうすでにただ事ではない事態の渦中にいるのだと実感させられています。


私は、金丸弘美先生の「フードクライシス」を読んで以来、都道府県別の食料自給率に興味を持っているのですが、ずっと不思議だったのが滋賀県の食料自給率・・・。


滋賀県は、都道府県別の平成17年度食料自給率がカロリーベースで52%(全国平均40%)あり、上から20位になのですが、生産額ベースでは42%(全国平均69%)と、極端に下がって37位(下から11位)に転落するのです。


ちなみに、カロリーベースでも生産額ベースでも、食料自給率が低いのは1〜5番を東京・大阪・神奈川・埼玉・京都と並び、自給率のワースト1に輝く東京はカロリーベースがたったの1%です。そして生産額ベースでは5%と5倍に跳ね上がるのですが、それでも最下位です。


食料自給率の全国平均は、カロリーベースと生産額ベースがそれぞれ40%と69%ですから、生産額ベースがカロリーベースの1.7倍というのが平均です。


ところが・・・、滋賀県は、なんと生産額ベースのカロリーベースに対する割合が0.8しかなく、この0.8という数字は都道府県別では最下位! 東京都はそれが5.0でこの割合だけがダントツ1位です。


http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/zikyu_10.html

http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/other/ws.xls


豊かな農業県に見える滋賀県が、どうしてこんな数字になるのかと実は長年不思議でならなかったのですが、稲作農家さんの苦しさそのものを表した数字かもしれないと思い当たりました。


近畿農政局の資料によると、滋賀県の耕地に占める水田の割合は、91%(平成18年)と高く、富山県の96%に次ぐ、全国で2番目に高い割合で、平成18年産のお米の生産量は、17万8,000トン、農業産出額の60%を占めています。


1人当たりのお米の消費量を年間60kgと仮定すると、約297万人分(精米換算)のお米を生産していることになり、138万人の滋賀県民が消費する以外にも159万人の消費量をまかなっている計算になります。

http://www.maff.go.jp/kinki/jimusyo/shiga/local/nougyougaiyou/


近江商人を生み出した豊かな近江の米は、近江牛を生み出すものでもありました。近江牛がいくら高く売れても、その生産量はお米に比すればわずかなもので、そのぐらいで生産額ベースの自給率が上がるわけではありません。


お米中心の農業では儲からない!! ということが滋賀県の数字から見えてくるのでしょうか・・・。そのあたり、どなたかうまく解説していただけないでしょうか・・・。


分からないことだらけですが、この現実の中で、近江悠紀会のかたがたは、米づくりをがんばってくださっているので本当にありがたく、食料自給率を支えるお米の消費がもっともっと伸びるよう、南山でも新米フェアをがんばらねば! です。