yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

加藤松林人先生のこと

牛肉に魅せられて夢中でつづってきたブログ、「焼肉南山奮戦記」でしたが、4年ぶりに再開しようと思います。
2001年から無我夢中で南山の再建に奮闘し、2020年からは次世代へと事業承継していく中、さまざまな出来事がありました。
貴重な体験や思いを記録していこうと思います。


今日は敬老の日
さすがに3人の孫を愛でるお年頃となり、今年は少しばかり自分を労わりつつ、先輩としてあこがれる美しい年寄りの記憶をつづってみたいなと思います。

加藤松林人画伯は、痩せこけて、質素で謙虚で奥ゆかしい、とても穏やかな優しいおじいさんでした。
子どもの目には、不思議な別世界の人のような感じだったのですが、確かにこの世を超越したような方だったんだなと今にして思えば納得できます。

戦前までは韓国・朝鮮の画壇で活躍され、「朝鮮の美しさ」「韓国の美しさ」という本を上梓されましたが、戦後帰国されて後は画壇に戻ることなく、消えゆく美しい日本の美しい風景を描きとめておられました。

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加藤松林人画伯「韓国の美しさ」


その一つが滋賀県永源寺ダムに沈む村の絵で、南山の創業者・孫時英は、加藤松林人画伯からその話を聞いて永源寺村へ飛んでいき、1軒の民家を京都に移築することとなりました。

加藤先生は、日韓国交の正常化前に国賓として韓国に招かれた方だと聞いています。

加藤先生が愛でた韓国の美しさ、創業者が敬意を払った日本の美しさを思うとき、本当に美しいものを愛する年寄りになりたいな、と思います。
戦前戦後を通して、加藤松林人先生は、「美しい日本人」として韓国から敬愛された方でした。

「韓国の美しさ」のあとがきの一部が心に沁みます。

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「韓国の美しさ」あとがき