yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

近江牛の勉強会(屠場編)

yakinikunanzan2006-09-04



秋風が吹く…と、焼肉屋は、物悲しいほど
ヒマになるので、9月はトコトン勉強会をする
ことに決めていました。


今日は、近江牛仕入に参加を希望してくれた
スタッフたちと総勢8名で近江八幡市のと畜場へ
行ってきました。


まずは、枝肉選び。
枝肉の質の評価方法や、メス牛と虚勢の見分け方、どこにどんな部位があるのか
など、岡喜の社長とベテラン部長が、スタッフに教えてくださいました。


選んだのは、宮崎生まれのメス牛で、上品な刺しの入ったA5等級。
今回は調理長も即決です。


いただいて帰るのはこの左半分↓ 近江牛の取引慣習で左にはハラミがついています。


右半分↓と比べればよく分かります。


せっかくなので、屠場を外から見せていただくことにしました。
ちょうどBSE検査のため、1頭1頭が丁寧に観察されていました。
「〇〇番の牛、(目が)見えてません!」という検査官の声に振り向くと、
足が腫れ、ビタ欠で太らされた牛が よたよたしていました。


岡喜さんの牛も4頭並んでいます。こちらは小ぶりのメス牛で、太短く
ころっとしまった牛の出来具合に部長は目を細めて得意満面。


しまってはいないけど、太短くころっとした人間のメスも、
いっしょに誉められたような気分になりました。


屠場内には、部外者は入れていただけないのは承知でしたが、なんと
なじみのオッチャンが、中から手招きして、「中入って、見い!」と
声をかけてくださいました。


まさか! うそ! と大感激で、皆で恐縮しながらゴム長に履き替え、
ちょっとだけという約束で中に入れていただくことができました。


ここは、なんと言っても現場労働者が一番強いのです。


作業場の反対側から、牛の解体される様子を見学していると、
「そんなとこから見ててもわからんやろ! こっち来てやってみい!
教せえたるわ」
と声をかけてくださるオッチャンもおり、さすがにそこまでは調子に乗らずに
おとなしく見学だけさせていただきました。


裂かれた腹から 内臓が落ちてレーンで流れてくるのも間近で見ることができ、
新鮮なミノやテッチャンや小腸、レバーをとくと拝ませていただきました。


心臓も、「見てみ! 人間のといっしょやで!」と教えてくださる方に、
命をいただく人間の姿勢を正すようにと諭された気がしました。


「でも、人間の心臓は、あんな大きくないやろ?」と、どうにも、意味を取り違えた
スタッフの発言には、苦笑するしかありませんでしたが・・・。


親しい仲間扱いをしてくださった皆さんに、何度もお礼を言って、
獣魂碑の前で記念撮影をして屠場を後にしました。


南山の選んだ枝肉が詰まれた社長の車の後について、次は岡喜本店へ。
常務が枝肉を捌いてくださるところを見せていただくのです。