yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

牛肉選びの楽しさ


昨日は、雨の中を近江八幡の屠場へ。
おもしろい近江牛の販売会があるということで、岡喜さんに
誘っていただき、枝肉のセリを見学させてもらいました。


堂々たる近江牛の枝肉が並んだ会場は、冷蔵庫の中みたいなもので
すから、さすがに体の芯まで冷え切りましたが、威勢のよい掛け声で
セリが始まると寒さも吹っ飛ぶ熱気。
値段がどんどん上がる電光掲示板と、競られている枝肉を間近で見比べながら、
近江牛市場独特の、のんびり和やかな雰囲気を楽しんできました。


京都から来た焼肉屋と聞いて、「おっしゃ、あれ落としてもらえ!」
「お、本人が落としよったか…。わし交渉して来たるわ」など、
親身にアドバイスしてくださる初対面のおっちゃんとも親しくなり、
岡喜さんから近江牛のいろいろな生産者さんの特徴も解説してもらって、
大変いい勉強になりました。


でも、やっぱり南山が選んだのは、この日のセリには出されていない
岡喜さんの枝肉。今回のは純粋但馬の29ヶ月齢の牛です。


まじめで正直な岡喜さんのお人柄が、南山にとっての枝肉を選ぶ基準
になっているということでしょうか。


ところが、生産者と消費者の交流会「牛肉談義」では、椎名さんも岡喜さんも
あまりにもまじめで正直すぎて、安心・安全を追求しだしたらかえって
不安の方がたくさん出てくるという爆笑物の結果になってしまいました。


会が引けてからの話でも、「餌は輸入やし、そこになにが混ざってるかは、
わからんもんなぁ」と悩んでしまう岡喜さん。


牛の血糖値を測定しながら健康管理をしているまじめな椎名さんからは、
「でも程度の差はあれ、要は、牛を成人病にしているんですから・・・」
なんて言われる始末。


「筋肉に脂肪がついているんだから成人病なんだ」なんていわれてしまうと、
さすがにまじめな焼肉屋は、困ってしまいました。


でも、椎名さんも岡喜さんも、ここまで意識して、少しでも安全な牛肉づくりを
追求してくださっているのですから、やはり、南山にとっては、一番安心の
できる生産者さんなのです。


省農薬野菜と聞いて「無農薬ではないのか!」と心配するのか、そこに生産現場
誠意と努力を読み取るのか・・・という問題が牛肉にもたくさんあるということで、
勉強すればするほどいろいろ難しい問題が出てきます。


いやぁ、本当に牛肉の世界はおもしろいです。
それを痛感した昨年11月の食べ比べ試食会の様子が、カラー写真つきで
月刊飲食店経営3月号に掲載されています。


編集長の千葉さんは、南山の勉強会のことを商業界ブログにも書いてくださいました。

http://blog.livedoor.jp/cpiblog00954/archives/50323899.html


本当にありがとうございます。


瀕死の焼肉屋の再生物語というふうに「飲食店経営」では連載されていますので、
まじめで正直すぎる南山も、ホント困り者です。


貧乏暇なしのてんやわんやの南山ですが、明日は、短角牛のホルモンが届きます。

味の箱舟の「安家地ダイコン」も仕入れることができました。


で、24日は、野菜の産直の打ち合わせに紀ノ川へ行って来ます。


何せ、再生企業ですから、南山はひたすらまじめに、存続することを許される
企業を目指して、がんばり続けるしかないのであります。