yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

また一からやり直し!


すさまじく充実した盛りだくさんの1月が終わり、今日から2月…。
昨年の震災以来、南山はすっかり強くなりました。
岩手との縁が深まり、本当に素晴らしい人たちにたくさん出会えたおかげで、被災地と共にがんばる根性がしっかりとすわったからかもしれません。


岩手出身の新人も南山に参加してくれ、ただいま見習い試用期間をキラリキラリと、プロ根性を見せ、頑張ってくれています。(彼は、昨年末に南山へご来店くださった岩手県の副知事や岩泉の伊達町長ご一行と面接時に鉢合わせし、VIP面接を受ける羽目になってしまったのですから、もう、この縁を信じて頑張っていただくしかないでしょう。)


社内外に逆風が吹き荒れて、昨年来、本当に情けない思いの連続でしたが、目指すべきことを曲げずにまた一からやり直そうと思うと、たくさんの味方の声援が聞こえてくるようになりました。


本当に南山は幸せな企業です。



2月15日に開催する「牛を愛する仲間たちの勉強会と10種の赤身和牛食べ比べ」には、結局14種のお肉がエントリーされました。


群馬県福井県奈良県三重県、大阪の黒毛和牛、南山の近江牛(木下牧場産、繁殖一貫但馬系近江和牛)、京たんくろ和牛(短角×黒毛)。


この7種のほか、二戸の短角牛(穀物肥育)、岩泉の短角牛(デントコーン育ち)、北海道北十勝ファームの短角牛(国産飼料育ち)、地備栄短角牛(岡山県高梁市耕作放棄地育ちの短角牛)、と、短角が4種。
正直、少し不安だった完全放牧の高梁の短角牛は、日を追うごとに旨みを増して、魅力ある味になってきました。大丈夫、充分戦えます。



これに加えて、十勝若牛(19カ月齢のデントコーン育ちのホルスタイン)、岩手県「田野畑山地酪農牛乳」の完全放牧育ちのホルスタイン島根県からは「熟ビーフ」(放牧仕上げの黒毛和種の経産牛)。


いずれも生産者さんたちのこだわり満載の魅力的なお肉ばかりです。


それぞれ個性の違うお肉を、どういうカットでどういう風に提供するのか、今回の試食会は、そこが一番のポイントで、南山の力量が問われるところなのですが、これはちょっと今の南山では力不足なため、牛肉のプロ中のプロ、サカエヤの新保社長にご指導いただいて、2月15日に向け万全を期すことにしました。


こんなありがたいチャンスに恵まれるなんてこと、そう滅多にはありません。スタッフたちがこの有り難いチャンスにどこまでくらいつき、どこまで成長できるか・・・2月15日の当日が見ものです。


新保社長のスタッフ評価表には、100点満点中、技術5点、計数管理5点、あと90点は人間としてのマナーや向上心、協調性、積極性、責任感、後輩指導など、人間としての姿勢が評価項目に連なっています。


南山の創業者は、「飲食店経営には、技術教育30%、人間教育70%が必要」という持論をもって、技術力の倍以上の人間力をスタッフに求めていましたが、サカエヤの新保社長は、技術5%、売上向上への努力5%、残る90%は、人間力をスタッフに要求されるのです。


新保社長との出会いは、ヤマト運輸のドライバーさんの紹介がご縁でした。
2006年の12月のことです。


「あんた、肉の勉強したいんやったら、南草津のサカエヤへ行ってみ! 従業員が、わしらドライバーにも、いつでも、ものすご元気な声できちんと挨拶しよる。そら、すごいもんやで。」


ヤマト運輸のドライバーさんの縁を頼りに、お肉屋さんの最も忙しい地獄の12月に厚かましく押しかけてご指導を仰ぎ、以来、ことあるごとにお力をいただいてきました。
今回もピンチを助けていただき、南山は、一からやり直します。


人間力を高めて質の高い仕事に挑み続ける環境を作ることが、人を元気にする一番の近道でした。
本当に感謝です。