yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

命を見つめる季節

yakinikunanzan2009-08-14

お盆は、お祭りのような華やぎの中で天に帰った親しい人を思う、不思議な空気があるものです。
太陽のエネルギーと地熱で最高潮の暑さになるなか、生者が死者と心を通わせる・・・。


二つの原爆記念日を通して戦争の悲惨を思いながら、高校野球の球児たちの命の躍動に心洗われるというのもこの季節。

命があるからできること、生きているからこそやらねばならないことに、思いが至る季節というべきかもしれません。


だからというわけでもないのですが、先日は、時間のあった南山の学生バイトスタッフたちも誘って家族で体育館を借り、本気でバスケットボールをして汗を流しました。
日ごろ運動不足でも、ボールを追う目的があれば走れるのだと、驚いたのですが、筋肉痛でつらかったのは下腹。笑いすぎが原因でした。



さて、南山が取り組んでいる農商工連携…、こんな小さな取り組みにどれほどの意味があるのかと、ふと弱気になることも多いのですが、小さなことの積み重ねに、ためらいは捨てようと思うようになりました。


先日、「京たんくろ和牛」のエコフィードの実現性を探るため、鹿児島の名獣医松本大策先生といっしょに京丹後・与謝野町のお豆腐工場を訪ねました。


京とうふの「おから」を乾燥させて「京の卯の花粉」(おからパウダー)というブランド名で健康食品や惣菜の商品開発をなさっているのが「京とうふ藤野」さん。
この乾燥おからを京たんくろ和牛の飼料として使わせていただくお願いに上がったのです。


藤野社長は、ご自分のことを「わしは豆腐屋のおっさんや」とおっしゃるので、冷たい水に手を入れて豆腐をすくい、手のひらの上で豆腐を切っておられるような、そんな姿しかイメージできなかったのですが、与謝野町のおから製造工場、いえ、豆腐製造工場は、それはそれはすごいところでした。







広大な工場は、徹底した衛生管理のもと少数精鋭のスタッフとステンレスの機械が働いていました。
おからは、パイプで吸い上げられ、外の処理場(写真下段)で乾燥されていました。
おから用のサイロ(下段の写真手前)は今は使わず、乾燥処理機に直結されています。


京とうふの藤野さん、右上画像のような繊細なお豆腐料理屋やカフェなども展開される、とてもおしゃれなお豆腐屋さんなのです。


人間さま用にもなる上等の乾燥おからを分けてもらえる贅沢が、まもなく実現しそうです…。


家畜用の穀物飼料の10%が人間の食糧に回れば、人間の子どもが飢餓で死なずにすむというのであれば、こんな些細な小さな努力も、手当たり次第に挑んでみたいと思います。


こうやって、京たんくろ和牛のブランドたる中身づくりを松本大策先生にご指導いただいているのですが、松本先生が「獣医師として目指しておられること」(下記シェパードのホームページ参照)を、焼肉屋も大いに肝に銘じて小さなことから取り組んでいきたいものです。

・・・・・・・

みなさんは、日々のお仕事に誇りを持っていらっしゃいますか?
みなさんは、経営を改善する事で、同時に(無意識にも)世界中の子供を助けることも出来るのです。
シェパードの目標は、飼料効率の10%改善です。
1頭当たりの飼料効率を改善するのは難しいでしょう。
でも、死んでいく牛さんを減らす、流産する子牛を防ぐ、繁殖成績の改善、などで、食肉1頭分に必要な飼料を10%減らすことは、やろうと思えば出来ます。
結果的にみなさんの経営は改善しますし、世界の子供も助かります。

みなさんは、世界中でいったいどのくらいの穀物が作られているかご存じですか? 実は6億トンです。しかもその内の4億トンは家畜の飼料で残りの2億トンを直接穀物として人間が食べているのですが、その80%は先進国で消費されています。
かたや、1分間に20人もの人が飢餓で死んでいます。その内17人は小学校へ上がる前の子供達だそうです。この人達を救うために必要な穀物料が、たったの4,000万トンだそうです。そう、家畜の餌の10%なんですね。
 もちろん政治や経済の問題等が絡むから、そう簡単に飢餓は解決できないことも知っています。でも、分配する食べ物がない状況では、いくら論じても無駄になります。僕たち生産者は、自分たちの出来る使命を果たしましょう。


以上松本先生のホームページよりhttp://homepage2.nifty.com/shepherd/shepherd02/index.html