yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

畑とつながるメニュー開発セミナー

yakinikunanzan2008-04-24



4月22日、23日は、FARCA今年度最後のセミナーでした。
FARCAの校長先生小役丸秀一社長の本拠地、福岡県岡垣町のぶどうの樹(グラノ24K)で開催されたちょっと信じられないぐらい濃厚な、うまみぎっしりのセミナーでした。
グラノさん恒例の新メニュー試食会(今回は、夏メニュー)と農家さんミーティングにも参加させてもらいながら、2日目には実際に農家さんを回って食材を調達し、全員が料理をつくってそのメニュー名を考案し、ディスプレイまで発表するという特訓で終了。


グラノ24Kの皆様には本当にお世話になりました。感謝感激です!!








結婚式会場として使われている「ゆかいな果樹園」が今回の試食会の会場。まずはFARCAのメンバーは、小役丸社長からグラノ24Kの取り組みと、この試食会の流れについて講義を受けました。



熊本大学教授の徳野先生も飛び入り参加で、「食と農の問題は、家族崩壊の問題でもある」と、すべてを人間の問題として考察される徳野節を披瀝してくださいました。

この徳野先生の教え子で、グラノ24Kの広報企画を担当する山ちゃんが総合司会。今回のセミナーをすべて構築し運営してくださいました。


そしていよいよ100数十品目が並ぶ試食会が始まります。
お約束事は、決められた夏の素材を使うこと、化学調味料はつかわないことで、誰が作ったかは秘されています。









参加者は、グラノのスタッフさんたちだけでなく、愉快な仲間と呼ばれるFCさんや、農家さん、マスコミ関係者さん、一般のお客さんやFARCAの仲間・・・と多彩です。


料理のジャンルごとに特に気に入った料理を書き込み、一品一品に感想も書いていくと言う試食会ですから、食べるほうも真剣です。


試食後の投票を終えると、次は公開農家さんミーティング。





作付けの状況や調整、ほしいものと出荷したいものの情報交換などが中心ですが、間引き菜をレストラン現場は欲しがっているのに農家さんは遠慮して言い出せていなかったり、8月にできるかぼちゃを10月の収穫祭にほしいというレストランに届けるためには、かなりの量を腐らせながら保存せねばならないことなど、単純な認識不足もたくさん発見されました。


試食会の後は、施設見学です。
まずは、3月に新装なったばかりの和食処「野々庵」







本物のおくどさんと畑がある、すばらしい癒しの和空間。
玄関から外に出るとそこに広がる麦畑が垣根越しにきれいに見えます。


次は「ぶどうの樹」。小役丸社長のお父様が植えられた、ここのぶどうの木がグラノさんの始まりです。純金の本物の種が見事に実ったのが「グラノ24K」。






このあたりから、参加者たちはメランコリックな表情で無口になっていきました。内心は「どうしてこの場に野郎たちと来ているんだろう…。ここは、ツーショットでくるべきところだろう!!?」という感じです。


それでもわれわれの目的はあくまでも研修です。
コンテナごと野菜を保存できる倉庫の並ぶ清潔なセントラルキッチン、そして鮨屋台・・・と、グラノさんのすごさに圧倒されながら施設見学が続きます。








宿舎の八幡屋に荷物を置いてからは、「ゆうま山」(グラノさんの山の畑)での懇親会。










刺身、しし鍋、猪バーベキューやステーキ、かまどで炊いたおこげご飯・・・。
グラノスタッフたちの、自ら楽しみながらの気働きと心遣い!!
このホスピタリティには、まいどため息が出ます。
かなわない・・・


2次会は、花チャペルで・・・。


こうして夜遅くまで、グラノさんの世界を堪能した翌朝は、6時30分出発で農家さん回りです。
各人が担当する素材を調達し、料理のディスプレイ用の草花も探さねばなりません。




まずは、42歳から82歳までのメンバーが、集落全体で農業に取り組めたおかげで、お年寄りの健康と経済的な豊かさが保たれているという、活気ある地区の農産物集積所。ここで、農家さんのお話を伺い食材調達。





すごい勉強家のご夫婦の畑にもお邪魔し、平飼いの養鶏場へ出荷される青虫の収穫(?)も見せていただきました。青虫の食べた葉も、ニワトリ行きです! その養鶏場ではグラノさんから出る出汁ガラや生ごみも活かされているそうです。







定年後に農業を始められたというこちらの元技術者の農園では、きゅうりを調達。
技術者だけあって、まったくにおいのしない生ごみ肥料も見せてもらい、そこで初めて、どの畑もくさくないことに気づきました。
せっせと草取りをしているのは、本物の農家さんとグラノの大堂さん。寸暇を惜しまず、体ごとの気働きができるところがグラノさんのすごさです!



農家さん回りの後は、ソーセージ工房とパン工房の見学。








超ベテランの匠が見守る中、ソーセージ工房のスタッフさんたちは黙々と作業されていました。
出来立てのベーコンを白坂調理長が切り分けてくださり、そこへおにぎりも登場するというサプライズ!


次の見学先「パン工房」では、グラノさんの花いっぱいの施設を眺めながら焼きたてのパンをいただきました。






そして、いよいよ、農家さんから調達した食材が、セミナー参加者たちによって料理されていきます。






これが出来上がった作品たちです。





以上、たけのこチームの作品。


青菜チーム



きゅうりチーム


パンチーム



たまねぎチーム


アスパラチーム




そして、ソーセージチーム。このベーコンの脂抜きスープは、絶品でした。




この力作を、各チームの代表が説明してから皆で試食し、他のチームの代表が試食の感想を述べて感動の1泊2日が終わり、FARCAの終了証が参加者に授与されました。


本当は、この後FARCAの行事として博多の繁盛店視察へと繰り出すのですが・・・。
実に実にすごいセミナーでした。来年度もアンコール企画として開催されますので、ぜひFARCAのHPにご注目ください。
http://www.farca.coop/


FARCAの次の行事は、6月25日の交流会。
今度は京都の南山が会場です。
http://www.farca.coop/ime/pdf/08_kohryukaikyoto_omote.pdf
http://www.farca.coop/ime/pdf/08_kohryukaikyoto_ura.pdf


このプレッシャーは、も〜〜大変です。
あと2ヶ月で、今回の研修を咀嚼し、農家さんとレストランと生活者をつなげる交流会をホスト役で盛りたてねばなりません。


グラノの皆さんに、しっかり応援を依頼してきた南山でした・・・。すいません。