yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

「食べていける」ことの嬉しさを噛みしめて

yakinikunanzan2008-10-31



「安家地大根(あっかじだいこん)が収穫期を迎えました」と、連絡を下さったのは、「大根は売れても、私はなかなか売れませ〜ん」と笑わせてくださる、岩泉に恋したIターンのマドンナT女史です。


スローフード協会から短角牛と並んで「味の箱舟」に認定されているこの地大根は、小野寺長十郎さんご夫妻がずっと守ってこられたのですが、今年の安家地大根は、小野寺さんの畑の近くで80歳代の後継者さんがつくってくださったものだそうです・・・。


安家の短角牛と更に希少な安家の地大根が、南山で食べられます。きれいな紅色の辛味の大根で、南山では、サラダに添えたり、ピンクのおろし大根にして短角牛のたたきに添えたり、焼きしゃぶに添えたりして、お客様に喜んでいただいています。


そして、岩泉からは、子牛の市の様子も情報が入りました。



これは、子牛市場の前日に行われた評価購買といわれる特殊な市で、岩泉の地元に残す子牛を選ぶ、地元ならではの和気藹々とした楽しい市だったとの事。


ここで選ばれた岩泉生まれ岩泉育ちの子牛たちのうち何頭かが「プレミアム短角牛」として特別肥育されることになるのでから、2年後が楽しみです。


昨日の異業種京都まつりでは、「いわいずみ短角牛」の赤いはっぴを着て、「岩手から嫁に来た短角牛が生んだもんで・・・」と、京たんくろ和牛のアピールをしたのですが、人気は上々で、アンケート結果を見ると、霜降りではない脂肪の少ない肉を求める人たちのニーズが浮き彫りにされ、うれしいことでした。




この日の基調講演においでになっていたモクモクの木村社長も、ご講演前に南山のブースに来てくださり、「お、お、お、今日は、タンクロでいくの?」と少し戸惑われていたのですが、基調講演では、南山のタンクロのこともしっかりアピールしてくださり、感激でした。


地元の人に愛され、地元の人の誇りになってこそ「ほんまもんのブランド品」になるという木村社長のお話に、京都の新しいブランド牛が大きな可能性をもって育っていきそうな、そんな勇気をいただきました。


貨幣経済という虚の世界は、今や大崩壊の憂き目を見ていますが、「食べるに困らない」食の世界にいるものには、そんなの(あんまり)かんけぇねぇ!


「食べていける」という、ささやかな大きな幸せの味を知っている仲間たちといっしょに、ますます元気に愉快にがんばれそうな、そんなうれしい気持ちになれる今日この頃なのです。



岡山で短角牛の生産を始められる、高梁(たかはし)短角牛生産組合の皆さん!
岩手から嫁入りした4頭の娘短角牛たちは、「いわての幸せ」を、きっとどっさり運んできてくれたと思いますよ!


短角の娘っこたちを、どうか幸せにしてやってください!


(高梁短角牛生産組合の皆さんは、7月に南山で開催された「プレミアム短角牛セミナー」に参加してくださったガッツある若者たちで、先日も、2シーズン放牧の短角牛を試食しに南山においでくださいました。
短角牛を耕作放棄地に放牧し、可能な限り放牧で肉牛生産してみたいと大きな夢を語っていかれ、そのうち牧牛(まきうし=種雄牛)も導入したいとのこと。
「・・・おいおい、それは個人的な夢だろうが!!」とつっこませていただのでした)


このブログにも、下記のようなメッセージをお寄せくださっています。

畜産(毎日世話しないといけない)と葡萄(棚の下の作業は腰痛持ちにはキツイ)にだけは手を出すまい、と思っていたのに、本日午後二時に4頭の日本短角種の娘たちが高梁に到着してしまった。
 さあ、いよいよ短角による地域復活企画がスタートする。生産に寄与できない「遊休農地」が短角によって、生産に寄与し続ける「悠久農地」に変わってゆくのか。この子らは限界集落(しかもモデル地区)に喜びと、いくらかの所得をもたらすのか。
 失敗したら、笑ってくれ。でも、成功したら、後に続いてほしい。      
T田