yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

お盆を前に

yakinikunanzan2007-08-08



8月5日(日)、閉店後午前2時過ぎまでホールスタッフミーティングがありました。
夏の暑さに比例して忙しくなる南山は、年末年始と同じぐらいお盆にも緊張が走ります。


些細なミスが大事故につながるのですから、混雑の続くこの期間には、特に念入りな打ち合わせが必要なのです。


最近起こった失敗の原因と対処例を振り返り、不安材料を消しこんでいくミーティングだったのですが、まるでサッカーの試合を前にした作戦会議のような雰囲気でした。
さしずめ、細かなポジションやフォーメーションの確認という感じでしょうか。


「もっと声出して!」
「ここは小さな声、これは大きな声で。」
「この場合はリードボーカルを決めて全員できるだけ声を合わせよう!」
スタッフ用語とお客さま用語や場面ごとのせりふの確認・・・。


若いスタッフが学生スタッフたちと進める作戦会議からは、「1戦、1戦いい試合をしたい」と願う真剣なスポーツマンシップが伝わってきて、すがすがしい思いがしました。


混雑時にどうしてもお待たせしてしまうお客様に対して、「本当に申し訳ない」という思いで対応できるか、そのお客様がお帰りになるまできちんとフォローをつないでいけるか・・・などなど、スタッフひとりひとりの集中力と人間力が勝負どころです。


ここまでしっかり前準備ができたなら、それでも起こりうる不測の事態に対して覚悟ができるというもので、あとは、スタッフが怪我や病気をせぬよう、事故が起こらぬようにと、祈り続けるしかありません。


調理場のほうでは、プロのパティシエ「ミスターカキネ」が、次々にスウィーツの新商品を開発して季節メニューの入れ替えをし、お盆を迎える準備を進めてくれています。



グレープフルーツゼリー(ラズベリーとレモンのゼリーもトッピングされています)



さわやかマンゴープリン(レモンゼリーがトッピングされ、グレープフルーツのソースがかかっています)



ブルーベリーのムースも人気です。


岩泉からは、短角牛2頭分が届き、今日から短角牛ギフトの出荷はピークに突入です。
それにしても、本当にいいお肉が届きます。
なんと、地元産デントコーン育ちの「プレミアム短角牛」も入ってきました。


そして今日出荷するのは、本当に珍しい短角牛のメス牛「さちひめ」です。
先日、岩泉での交流会でお出会いできた佐藤安美さんのところで育った短角牛!!



左から4番目の方が佐藤安美さん。3番目は畠山利勝さんです。


この交流会の場でも、たいていが繁殖用になる短角のメス牛の、肉用牛の希少さが話題になりましたが、生産者さんたちは、
「メス牛より去勢のほうが育てやすい。メスは、発情するとうるさくて・・・」とのこと。
(・・・それを聞いた人間のメス軍団、思わず「すいません。」と声をそろえていました。)



南山の調理場には、生産者さんの気合が伝わって来るので、その分本当に「いい仕事」を目指す緊張感がみなぎっています。
スタッフミーティングの場でも、生産者さんからバトンを受けた調理場の思いを、ホール側はきちんとつなぐ仕事をしているかどうか、厳しい苦言も呈されました。


生きとし生けるものの命の循環の中で、今を人間として生きている私たち・・・。

8月6日、9日、15日・・・とせみの声を聞きながらもの想う季節です。


そして16日には、南山のテラスで五山送り火鑑賞会
今生きているもののために命をつないで死んでくれた、たくさんのご精霊をお見送りして、南山のお盆が終わります。


この日を仕事納めにしてまもなく帰国する、フランス人研修生、タキンとアレックスが五山送り火鑑賞会を切り盛りしてくれ、柊木万理さんのすばらしいソプラノと、ピアノの音が今年の南山の盆の風に響きます。


どうか無事にお盆が乗り越えられますように・・・。