yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

マザーレイクを守る農家さんたち

yakinikunanzan2007-08-12



昨年9月に南山で初めて取り組んだ新米フェア・・・。
これがきっかけとなって、私たちは、生産農家の方と一緒に取り組む仕事の楽しさに、すっかりはまってしまいました。


今年も、新米が入荷すれば、ご飯のおかわりは無料! 五穀豊穣の実りを寿ぐ「新米フェア」に取り組みます。
お米の実り具合はどうでしょう・・・。


8月11日に、近江悠紀会さんの田んぼを見に行ってきました。
毎年一番早く収穫される「あきたこまち」は、8月末に収穫できるか、9月にずれ込むか、どうも微妙な状況だそうです。
広い広い大中の干拓地(↓)は、見渡す限り田んぼ・・・。(実は、どこが近江悠紀会の河合さんの田んぼか、わかりませんでした)



私たちが5月に田植えをさせていただいた田んぼの「かぐや姫」(↓)も見てきました。なんと!稲穂が天に向かってまっすぐに伸び、稲の花が咲きはじめているものもありました。

よかった!! ちゃんと実ってくれました!! これなら、10月には無事稲刈りもできそうです。



実は、この日は、近江悠紀会の岡本さんの案内で、岡本さんが誇る農家さんの見学もさせてもらいました。
岡本さんは、本当に変わったお米屋さんで、お米を売るより「すごい農家さん」のことを夢中で語る元IT系サラリーマン。
それこそ「すごい農家さん」の筆頭株とも言える父上の事業をUターンで手伝っておられる好青年です。


南山食農倶楽部で、朝市なんかも企画していきたいということをお話したら、是非この農家さんともつながっておいてくださいと丸1日かけてご案内くださったのです。


最初は草津市の田淵農園さん。南山に畑直行の野菜をお届けくださる脱サラ青年、稲本さんもご同行くださいました。




田淵さんは、合鴨300羽で4反の無農薬米作りにも挑戦しておられ、長野県の八ヶ岳山麓にも農場をお持ちです。
「ホーレンソーなんかは八ヶ岳で作ったら、涼しいところやから薬なんかぜんぜんいらん。週1回スタッフみんなと八ヶ岳の農場に行くのが仕事の励みにもなるんや」と、いとも楽しげにお話くださいました。


次に伺ったのは、びわ湖ベジタブルロード会長の岡部さん。かの有名なたねやさん御用達の農家さんで、旬の野菜を少量多品種作っておられます。もいでくださったミニトマトの甘かったこと!!





生ごみの堆肥化で、窒素リン酸カリ以外の「畑の味付け調味料」にも工夫を凝らしておられる岡部さんの語りは、まるで料理人のようでした。


ベジタブルロードは、環境と福祉を支える農家さんの集まりで、障害者の方の雇用にもしっかりと取り組んでおられます。
岡部さんは、「信頼できる知った人に売る分しかつくってない」と言い切る、しっかりとしたポリシーをお持ちで、つくり手と買い手が支えあうすごいネットワークをお持ちです。


岡部さんのおっしゃった言葉は、南山の産直近江牛の生産者さん、竜王町の岡喜牧場さんもおっしゃっていたことで、先日うかがった岩手県岩泉町の短角牛生産者さんたちの思いにも通ずるものがありました。


食料自給率40%の日本で、農家さんからいい食材を分けていただこうと思ったら、「信頼できるいい人」になれないとダメということを改めて痛感させられました。


夕方になって最後に伺ったのは、茶谷さんのスイカ畑。去年も岡本さんの案内で茶谷さんの畑へ伺い、米ぬか農法のマシーンを見せていただいたのですが、今回は、有名な「茶谷のスイカ」の畑です。



イカは、今しがた完売したばかり。茶谷さんは、涼しくなった夕方のスイカ畑を整理しておられました。

「ほーか、朝市やるなら、来年はうちのスイカ持って行き!! そりゃ京都の人が喜ぶは」と、何ともうれしいことを言ってくださいました。


それよりもびっくりしたのが、これは牧草農法?とでも言うべきなのか、スイカ名人の茶谷さんは、牧草を飼料と肥料に活用するすごい畑づくりをしておられ、牧草の伸び方をみて畑の栄養状態を判断するのだそうです。



「牧草の伸びの悪いところは肥料が足らんというのがよくわかるやろう」と、茶谷さんは今年最後のスイカを片手に、ニコニコご説明くださいました。




口下手な岡本さんから聞いていたより100倍びっくりのすごい農家さんたち・・・。
マザーレイクを擁する滋賀の農家さんたちのスケールは大きく、プロフェッショナルな誇りに満ちていました。


有機JASなんて、そんなめんどくさいもんより、信頼関係や!!」とおっしゃる農家さんの自信に満ちた取り組みを見せていただき、そのうち、分けてもらう側の消費者に、信頼の認定証が必要になる時代が来るかもかもしれないなぁ、なんてこともふと思いました。


南山食農倶楽部の小さな小さな朝市は、上賀茂トマトや鷹が峰ネギの収穫を待って、滋賀のお野菜やお米の応援も受けながら9月中旬にスタートします。お楽しみに!!