yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

高校生が育てた「愛農ナチュラルポーク」は「飛べるブタ!」



三重県伊賀市愛農学園農業高校は、全寮制で有機農業(酪農・養豚・養鶏・作物・野菜・果樹)を学ぶ、とんでもなく楽しい学校です。


その愛農高校で実習用に飼われているブタが、学校給食以外は市場出荷されて行き先知れずになるということで、何とかならないかと相談され、「なんとかなればな」とサカエヤの新保社長に相談を持ちかけました。


「まずは食べてみて考えましょう」と冷静な新保社長のところに愛農高校の豚肉が届くや、それを食べた新保社長が大騒ぎをはじめます。

「うまい、うまい、こんな美味しいブタ肉は、生まれて初めてです! お世辞抜きで、美味しいです! 応援しましょう!」



南山でも食べてみて、びっくりしました。
「うまい、うまい、ほんまに美味い!!! こんな豚肉はじめてや!」と、衝撃が走りました。



そこで早速新保社長と11月1日に愛農学園へ行ってきました。


まずは生徒さんたちと一緒に給食をよばれ、そこで紹介された新保社長が、「皆さんが育ててくれたブタは、すばらしかった。こんなに美味しい豚肉は食べたことがありません。これから愛農高校の豚肉を世に出すお手伝いをさせてもらいます。楽しみです。いっしょに学んでいきましょう!」と挨拶なさると、生徒たちから歓声と拍手が沸きあがりました。




昼食後は養豚部の実習の見学もさせていただきました。
この日は、新しい母豚を豚舎に移動させるとのことで、きれいに消毒されたマスにオガ粉を入れ、そこに母豚を連れてくるということでした。



子豚の愛らしさといったらありません。やんちゃ盛りの高校生が、愛情いっぱいの顔つきにとろけて、友達のように豚に話しかけて世話をしています。



お母さん豚たちは1列に並び、1頭のお父さん豚に向き合う形で、恋心がかきたてられる仕掛けです。
そして発情がくると自然交配させるのだそうです。




お父さん豚は生徒たちから「茶々丸」と名づけられたアイドルですが、この姿に恋心がわくのかいなと疑問がよぎりました。が、よく見るとかなり男前です。



学校教育での少頭管理だからできる投薬なしの養豚。豚たちは、本当に嬉々として愛されて育つトン生を送っているようでした。


10月に開催された愛農高校の学園祭で、1年生は「飛べない豚はただの豚」という学年劇に取り組んで見学者を感動させてくれました。
生徒たちが「ブタ」と命名して教室で飼い始めた豚は、生徒たちの悩みの相談にも乗る仲間としてかわいがられ、やがて大きくなって出荷するかどうかで生徒たちが悩みます。
その話を聞いた豚は翌朝早く、置手紙を残して自らと殺場へ行くというお話しなのですが、ブタの手紙が泣けました。


「おれは人間に食べられるために生まれてきたのだから、食べてもらうことが一番うれしい。だからおれは自分でと殺場へ行くよ。俺たちブタ仲間のほとんどは、ただ豚舎に押し込められて人と触れ合うことなく、美味しいとかまずいとか、安いとか高いとかといわれて粗末に扱われるが、自分はこんなに皆からかわいがってもらい、すばらしいトン生を送れた。感謝しているよ。・・・」といった内容。


まさに、「カッコイイとは、こういうことさ。」でした。



紅の豚」、「ブタがいた教室」、「命をいただく」、「なかのりさんありがとう」などが混ざり合ったようなすばらしい劇でした。




愛農高校へ行ったその日、新保社長がブログアップなさった記事がこちら。
http://blog.omi-gyu.com/archives/20121101-1.html


そして、トントン拍子にことが進み、12月6日(木)には、午後7時から南山で「高校生が育てた愛農ナチュラルポークを食す会」を開催する運びとなりました。(会費は飲み物つきで6000円)
http://blog.omi-gyu.com/archives/20121105-1.html


未来の農業者、愛農高校の生徒さんたちに、実習の成果として食べた人の評価を届けること、安定出荷されないデメリットを希少価値に変えて値打ちのわかる人に届けること、そしてなにより、こんなにすばらしい学校があるということを少しでも多くの方に知っていただくため、年末のドサクサの中、あえてイベントを組むことになった次第です。


美味しいものとその背景に感動した「肉のプロ・新保社長」をここまで突き動かした「愛農ナチュラルポーク」をお楽しみに!


当日は、南山と共に愛農ナチュラルポークを応援してくださるサルティンボッカの木村シェフも腕を振るってくださる予定で、サルシッチャ、コッパ、リゾット、ローストポークなどの試作を重ねてくださっています。
南山も焼肉スタイルで、愛農ナチュラルポークのステーキやサラダ巻きなど、工夫を凝らします。


12月6日の試食会にぜひお越しください。
お申し込みはお電話でどうぞ。
075-722-4131 南山