yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

新しくなった南山のメニュー


3種の和牛を1頭仕入れしている南山は、これまで、メニューの構成が本当に複雑でした。
また、10月1日からのユッケ等の生食の取り扱い基準が明確になったことで、生食再開への道は絶たれ、南山のメニューブックは急遽こんな風に変わりました。

セットメニュー⇒http://www.nanzan-net.com/kitayama/menu2_03.html
単品焼肉メニュー⇒http://www.nanzan-net.com/kitayama/menu2_01.html
そして登場させたのが、冷製ステーキユッケ風、冷製ステーキ牛刺し風。




実は、生食再開に向けて、独自の殺菌法を試し、肉の断面のふきとり検査で一般生菌数ゼロという検査結果がでたため、ユッケ再開準備をしていたのですが、同一のお肉から25箇所を検査してすべてが「腸内細菌科菌群」陰性でなければならないという新基準は、クリアできませんでした。


南山では、ふき取り検査で一般生菌数がゼロだったので、自信満々に1検体だけ「腸内細菌科菌群」の検査をしたのですが、その結果は、なんと陽性だったのです。
検査会社の方の説明によると、この検査で、25検体すべてが陰性になったところはないそうで、23検体陰性でも残り2検体に陽性が出たというところは、どれほど悔しい思いをされたことかと思います。


それもそのはず、空気中や人の手指に無数の大腸菌がいるというごく普通の環境下で、この検査をするには、検体を取るところから無菌室ででも行わない限り、腸内細菌科菌群の培養検査で陰性になることなどあり得ないのです。
しかもこの検査料は、1検体5000円。
10万円以上の検査費用を負担し、半分以上のお肉をトリミングしてまで生食を提供する飲食店はないでしょう。
野菜や魚にもたっぷりついている「どこにでもいる菌」のひとつでも、牛肉にだけは付着することが許されないということなのです。


それで、結果、南山では、生ではなく、火を通した料理として生食基準並みの衛生管理の下で「冷製ステーキ」として提供することにしたのですが、少し火が通るとお肉の風味も良くなり、しかも炙った表面をトリミングしない分のロスがゼロですから、新しくなった「生ではない」ユッケ風、牛刺し風のメニューは、人気商品になるかもしれません。(ただしこれを間違っても「たたき」と言ってはいけません。)


しかし、今回の規制であっけに取られたのは、罰則を伴うこの厳しい規制が、「内臓を除く」となっていることです。


そもそも健康な牛の筋肉(いわゆるお肉)には細菌はいないのですが、と畜や加工の過程で、牛の内臓の中にいる腸内細菌が付着する恐れがあるということで、このような厳しい基準ができたのですが、内臓の生食については罰則規制がなく、牛肉の生食規制が先にできたのですから、いったいどうなっているのかと思います。


こてんぱんにイメージダウンされた焼肉業界ですが、これをバネに、世界一安全な衛生基準を誇るタフで健気な業界としてイメージアップを図っていくしかありません。


そんなわけで、京都のまじめな焼肉屋さんたちが集まり、サッポロビールさんの応援で、「明日の焼肉業界を考える会in京都」と銘打った勉強会を開催することになりました。


発起人の代表は、ますいちの国本社長
京の焼肉処「弘」の西田社長韓国さくら亭の金本社長と私も、この勉強会の開催に向けて、発起人としてがんばっています。


焼肉屋に元気がないとビールも売れない、ということでもあるのでしょうが、ビール会社の熱意ある優秀なスタッフ達が焼肉業界の活性化のため汗をかいてくださっている姿はとてもステキです。


11月9日(水)午後2時から4時の2時間ですが、京都市保健福祉局から講師を招いて、今回の「生食用食肉に係る規格基準について」ご説明いただいたあと、発起人の4社が、10月1日以降の取組み事例を発表し、会場のみんなと一緒に「明日の焼肉業界」について語ろうという会です。


会場は、コープイン京都。http://rcpt.kyoto-bauc.or.jp/coop-inn/kyoto/access/index.html
定員80名ですが、一緒に学んで情報を共有し合い、焼肉業界を元気にしようという思いを持った方に口コミでお誘いが回っています。(申し込み締め切り11月4日)


お申込みお問い合わせは、サッポロビールの平賀さんへ
電話075-231-7177