yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

あふれかえる課題と有難い食材

yakinikunanzan2009-04-30



今年も4月から、南山の短角牛は、プレミアム短角牛に変わりました。4月から7月までの季節限定販売、特別肥育された旬の短角です。


人間の食べない物を食べてお肉になってくれる牛・・・。プレミアム短角牛はまさに草資源を中心に、自家産のトウモロコシの茎と葉と実と、フスマで育った牛なのです。



こんな勇気のある肥育実験に取り組んでこられた岩泉の方々には頭が下がります。
町をあげてデントコーンを栽培し、牛本来の育ちと地域の文化を守る・・・、かなり頑固な取り組みです。


今年で3年目のプレミアム短角牛ですが、正直、今年のプレミアム短角は、最高の味に仕上がっています。


昨年は13頭が岩泉町から出荷され、今年は18頭。来年はさらにプレミアム短角牛の割合を増やされるということで、こんなにうれしいことはありません。
南山では、今年は岩泉生まれ岩泉育ちの牛を選んで5頭を確保しましたが、正解だったと自負しています。本当に美味しい! 絶品なのです。


京たんくろ和牛のブランド化は、可能な限りこのプレミアム短角牛に近づける挑戦をしてほしいと思っているのですが、これは並大抵のことではありません。だから、それだけにプレミアム短角牛の値打ちがわかろうというものです。


素人考えにすぎないのかもしれませんが、穀物飼料を減らして草中心で育った牛でも、おいしいお肉になるはずだと思うのです。そう確信を持ったのは、プレミアム短角牛の味と、近江牛を19頭生んだ「なかのり号」の味の良さを知ったからです。


南山がもっと有名店で、もっと店舗数があれば、もっとしっかりよいお肉を食べ支えることが出来るのですが、南山の小ささ、力のなさを痛感させられるばかりです・・・。


せめて南山が、よいお肉の値打ちを下げてしまうことのないよう、南山自体の中身をしっかりしたものにせねば・・・と、4月は本当に猛烈な勉強をしました。


自信をなくすのであまりい行きたくない但馬屋さんへも新店のイーマ、リュクスに続き、和牛懐石但馬屋梅田さんへも行きました。やっぱり行くたびに進化しておられるのでまたもや自信をなくす結果となりましたが・・・。
もったいないことに新店のキッチンまで見せていただき、但馬屋梅田では伊藤社長から上等のワインまでいただいてしまいました。


素敵な若女将とは、私たちも敬愛してやまなかった偉大な但馬屋の「親爺」西村さんの思い出話に花が咲き、目も鼻も潤みました。


FARCAのおもてなしセミナーでは、文蛾の平田もと子社長から「京都の伝統は、革新によって守られている」という元気あふれるお話で喝を入れていただきました。





平田社長は、毎日新しいメニューや新商品を開発されるそれはそれはパワフルで温かく気さくな社長で、この野菜で出来たドレッシングと野菜のスープはすばらしいお味です。京野菜マイスターならではのすばらしい商品開発力!


勉強したことをどう活かすか・・・胃が痛いところですが、明日から南山のメニューに登場するのは、国産牛のホルモン。国産のおいし〜い豚肉。国産牛のタン。 
なんとゴールデンウィーク用に、前沢牛のタンとハラミも入ります。前沢牛のテールの骨付きファイヤー(仮称)も!


「南山は、日本の農家さんを大事にしてくれる焼肉屋さんの代表と思うから、できるだけいいものを回してあげるよ」と言ってくださったのは、サンタクロースのような素敵な肉職人さんです。


食肉加工のすばらしい技術と衛生管理力、そして商品化センスをしっかり現場で見せていただき、あり得ないような有難い仕入れが実現したのでした。






洗って、洗って、洗って、洗う、希少なミノサンド。





テールは、迫力ある骨付きファイヤ〜!


他にも、もう、本当にすごい発想で牛とブタの魅力的な商品提案をしていただき、南山は、お肉のオール国産化に踏み出すことが出来ました。


心をかけてくださった恩人の思いを、決して裏切ることのない南山にならねば・・・と、畏れをもって姿勢をただし、山積する課題に向かっています。