yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

農家さんが支えてくださるレストラン

yakinikunanzan2008-09-12



先日、外食産業のそうそうたる方々が南山においでくださり、「食育委員会」を南山で開催してくださいました。
おかげで、私も久しぶりに「南山はなれ」のコース料理のお相伴に与り、ご馳走になりました。
近江牛の牛刺しと短角牛のとろろユッケを人数分盛り合わせたお鉢がきれいで、思わずパチリ!



食卓に、前菜やお刺身、キムチの盛り合わせを並べてから、お客様をお席にご案内し、
「これは、南山はなれのリニューアルをご指導くださったグラノ24Kの小役丸社長から、一夜漬けで特訓を受けて習得したテーブルセッティングです。こんなしつらえ、教えてくださる方がいなければできません」と、裏事情も解説。


皆さん、南山と農家さんとのかかわり方について、とても熱心に話を聞いてくださいました。




それぞれ、語りきれないほどのこだわりのある南山の産直牛、「由緒正しい近江牛」、「いわて短角和牛」、日本海牧場の「京短黒和牛」に加え、この日は運よく短角牛のホルモンも召し上がっていただけました。(上の画像は、近江牛のカルビと短角牛のヒウチ、短角牛のホルモンです)



安全・安心な食材を提供してくださる農家さんを「食べ支える」という役割を追求している南山ではありますが、本当は、食糧危機を目前に、農家さんから支えていただいているということを痛感している南山です。


昨日は、9月の社員研修と10月12日の稲刈り&牧場見学産地交流ツアーの打ち合わせのため滋賀の農家さんにあいさつ回りをしてきました。


今の日本の農業の惨状を見て、危機感を感じる人は多いでしょうが、昨日思ったのは、見捨てられたのは農業ではなく、まもなく農家さんの側から見捨てられて、食にあぶれる人たちが慌てふためく時代が来る・・・ということです。



近江牛粗飼料生産組合を結成して、飼料づくりも、畜舎づくりも、放牧の牧柵づくりもしながら繁殖肥育一貫で、種付けから近江牛を生産されている木下・後藤・藤井牧場さんたちは、炎天下、貴重な晴れ間に自家産の牧草のサイレージ作りで大忙しでした。
稲刈りシーズンとあって、稲わら集めも大変な作業です。




木下その美さんのご実家、繁殖肥育一貫経営のお師匠さん「後藤牧場」さんもお訪ねしましたが、「大草原の小さな家」を地で行くような、干拓地入植者魂があったればこそ! 
入植以来、本当にご苦労され、そこへ穀物飼料の高騰や原油高なのですから、BSEのとき以上の打撃のはずですが、この厳しい状況を、ひたすら働くこと、値打ちのある牛肉を作ることで乗り切っていかれるのです。




南山がお野菜をいただいている岡部農園さんのところでは、5月の田植えのときに植えたお芋が大きく育っていました。
10月12日の打ち合わせをしながら伺った話は、「わかってくれる相手が必要とする分だけしか、もう作らない。相場で買い叩いてくる大手は相手にしない。」ということでした。


苦土石灰よりもこだわった天然の貝の化石を稲刈りあとの田にすきこんでおられる岡部さんは、農業の誇り高いプロとして、「ここまでがんばってきてもわかってもらえないなら、もう、後のことは知らない」と、割り切った境地に達しておられるようでした。


岡本甚太郎さんの田んぼに植えさせていただいた「かぐや姫」は、10月12日の刈り入れを待っています。



この田んぼの近くには、古代米の黒米と赤米の植えられた田んぼがあり、きれいな赤い穂が揺れる赤米を分けていただきました。



京都に戻るころにはすっかり日暮れてしまいましたが、早速、赤米を店頭に飾りました。



南山永源寺館には、美山の谷口さんが作ってくださった無農薬野菜たちも、茶谷さんの新米と一緒に並んでいます。