yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

芯をつくるために・・・

yakinikunanzan2008-01-21



静かな冬は、うずくまりそうになる気持ちを奮い立たせて、勉強、勉強、ひたすら勉強です。


南山の調理場は今、完璧な衛生管理を目指し、徹底した指導を受けています。
2月からJR京都伊勢丹の新店舗SUVACOに南山のデリカを置いていただける栄誉を頂き、昨年からあわただしく調理場が動いているのです。




チヂミ2種、ピビンパナムル9色と4色の2種、短角牛のスネと大根の煮込み、白キムチ・・・。
ここにたどりつくまでの商品開発とパッケージデザインも大変でしたが、そのブラッシュアップ、食品表示、消費期限を裏づけるための食品衛生検査やスタッフの健康管理、そして研修・研修・研修!!で、緊張の毎日が続いています。


伊勢丹さんにご紹介くださったモクモクさんのお顔をつぶさぬよう、今の南山にチャンスを下さった伊勢丹さんをがっかりさせぬよう、身の程知らずにも必死の背伸びでがんばっているのであります。



そんな、余裕のない中であえて始めたお茶とお華のお稽古・・・。これには救われます。
今年初めてのお茶は、先生が「初釜」のしつらえでご指導くださいました。



背筋を伸ばして美しい所作の基本をご指導いただくと、ふっと心まできれいになるような錯覚に陥ります。
勤務の合間にエプロンをつけたままのお稽古でしたが、もったいないことに、お屠蘇まで頂戴してしまいました。



・・・そして、今日と明日二日間は牛の勉強!! 家畜商の講習です。
牛肉の安全・安心とおいしさを追求したら、牛の生まれ育ちを見極めるところまで行ってしまうというものでしょう。


近畿全域から51人集まった受講生の中に南山からも4人が出席。眠気と戦いながら、時には夢の中でリスニングを途切れさせながら、広大な敷地の畜産技術振興センターで貴重な勉強の1日目を終えました。





この講習では、「家畜は、人間の経済生産性を高めるためのもの」という視点ですべてが語られ、乳牛が改良(?)されて乳量を倍増させた結果、最近では三産ほどしかさせられないこと、小規模農家がどんどんなくなり、肉用牛肥育農家の戸数が平成2年と比べ四分の一に減少したことなど、淡々と、ショッキングな現実をたくさん知らされました。


同じ月齢の4産したメス牛2頭を見本に繁殖牛も実際に見せてもらいましたが、この2頭、左側の宮崎産の牛が右側の兵庫県産但馬牛より繁殖牛としての点数が高いとの解説・・・。つまり小ぶりな但馬の牛より大きくなる牛のほうが、和牛としての評価基準が高くなるというのです。


もちろん体重が増える牛のほうが経済生産性の高さで「優秀な家畜」ということになるのでしょうが、それだけでいいのでしょうか・・・。


伝統ある近江牛も、但馬の牛から増体型の牛に取って代わられてしまいました。


そんな中で、本来の但馬の牛にこだわって母牛も父牛も但馬に絞り、繁殖肥育一貫でがんばっておられる近江牛生産者さんもおられます。
今日は、そんなエキサイティングな農家さんのところの近江牛仕入れることができました。子牛から育てた母牛に、人工授精師でもある木下その美さんが種付けもして、お産もすべて、一から育ててくださった牛です。


「この牛の肥育の仕上げは、きな粉と胚芽をたっぷりやったので、肉を触った感想や食べた感想をぜひ教えて!」と木下さん。


セリの模様は、即日サカエヤさんのブログに掲載されましたが、これがまた底なしの勉強になるサイトです。
http://info.omigyu.com/


環境保全型の畜産としてサカエヤさんが応援して来られた木下さんとのご縁は、「近江米の稲わらを近江牛に食べさせたい」という、こちらの思いを聞いたサカエヤさんが「商売ヌキでお互いの勉強に」とご紹介くださったことから始まります。


木下さんの近江牛(♀)、2月には南山のメニューに並びます。


そして、2月にはFARCAセミナーも目白押し。ぶれないように、しっかりと足元を見つめなおす熱い冬です。