yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

安全・安心よりも心配な食料自給率


日本の食料自給率が40%ということを聞いて以来、私は心配で心配で
たまらなくなっているのですが、農家の高齢化と後継者不足を見るにつけ
もう、いてもたってもいられないほど不安になっています。


昨日は、近畿農政局主催の外食産業連絡協議会が開かれ、「外食産業と
農業の連携」について話し合う場がもたれたのですが、食糧安保の問題や
野菜の残留農薬の問題など、本当のことをつきつめると恐くなるので
そおっと帰って来てしまいました。


牛肉の安全・安心を求めて勉強した結果、私達は、農家の方との信頼関係
づくりが一番大事だと気づき、「南山にはよい牛肉を分けてあげよう」と
思ってもらえる焼肉屋になれるよう、天地がひっくり返るような大改革を
してきました。


今では、牛肉のAll産直を実現させ、トレサビや原産地表示どころか、
生産者の明確なF1(八千代黒牛)、黒毛和牛(近江牛)と短角牛を売っています。

こうして、一番難しい牛肉の産直ができたのだから、あとは簡単! 
などと高をくくっていたのですが、実はそれは大間違いでした。

短期的な約束などは守ってくれない「自然環境」を相手に土の上で野菜や米を
つくってくださっている農家の方に対して、安定取引なんて土台望めるはずが
ありません。


また、兼業化と高齢化のすすむ農家に、安全・安心などねだろうものなら、
「それじゃ自分で無農薬野菜を作ってみろ!」と言われそうな農家の憤りを
ひしひしと感じています。


無農薬野菜にかかる人件費や、農薬散布をする場合の農家の方の健康問題まで
考えれば、一体全体、野菜の適正価格はどれほどのものになるのだろうかと
思うと、暗澹たる思いになってしまいます。


農家の方が公務員並みの待遇と生活レベルを保障されて農作物をつくればいったい
どういうことになるのでしょう・・・。

でも実際には、それぐらいのことでもしなければ、食料自給率などあがらない
のではないでしょうか。

ついでに言うなら、少子化の問題も同様、子どもを生んで育ててくれる親や
親が育てられない子を親代わりに育てる里親にも、きちんとした生活保障を
してあげないと・・・、何てことも思っています。


人間の命が大切にされ、「食べていける」という安心感が保障される社会が、
なんといっても一番です。


南山の強い味方「モクモク手づくりファーム」では、市民農園や、牧場づくり
計画も進んでいるようで、南山も、もっと農家の方とのかかわりを深め、
企業レベルでの食糧安保に備えたいと思っています。