yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

誠実であるために


昨夜ご来店になったお客様が、「いわて短角和牛」をご注文なさって、お手持ちの放射線計測器をお肉に近づけ、「あ、やっぱり、全然放射能出てない。大丈夫。」と、おっしゃったそうです。


「安全安心」は、どんな情報を信じるよりも、自分で確かめるのが一番です。


南山は、自分で確かめて「いわて短角和牛」の安全性を確信していますが、それでお客様が安心してくださるかどうかは、全く別のことです。
こんな便利な機械を持ったお客様がおられることにはびっくりしました。


岩手県の牛肉が全頭出荷停止となり、早速取引先から「いわて短角和牛を材料に使ったお弁当は納入しないように!」というお達しが来ました。
放射能検査をしてきちんと安全を確認していても、「岩手県のすべての牛が出荷停止」という現実の前では、「南山独自の安全証明」は通用しないのです。
岩手県が、すべての牛の汚染の疑いを払拭してくれない限り、取引先が、岩手県産牛を排除なさってもしかたありません。


でも、岩手県で、県下の牛すべてに対して、南山が実施したような精度の高い放射能検査をすることは不可能です。
検査機器は不足ですし、検査すべき牛は多すぎて、そう簡単には検査できない・・・。だから出荷停止となったのでしょう。


商売べたな小市民が連体し、ここまで愚直に安全安心を支えてきたのに、国と県の都合で、こんなことになるなんて、本当に情けない話です。


がっかりしていても仕方ないので、南山は、「安全なものは安全です」と正直に「いわて短角和牛」を応援し続け、8月20日(土)21日(日)の牛肉サミットでも、安全証明を掲げて「いわて短角和牛の串焼き」を販売します。
それが、「正しい情報」を知っている「牛肉のプロ」としての、誠実な仕事なのだと思うのです。


さて、明日8月4日は、「人と牛とふる里を育てる放牧畜産研究会」の緊急勉強会。
岡山県高梁市から来てくださる高梁短角牛生産組合の事務局長徳田さんのお話が、すごく楽しみです。
徳田さんたちがここまでがんばって続けてこられたノウハウはすごく貴重なものです。
ところが、なんと、徳田さんの講演資料を事前に見てびっくりしたのは、徳田さんたちは、南山へ短角牛を食べに来て味を確かめ、松本大策先生のテキストを参考に、耕作放棄地での短角牛の周年放牧に取り組んでこられたとのこと。


徳田さんが参考になさった、松本先生が書かれた貴重なテキストは、こちら↓
http://www.ja-job.com/tabid/101/Default.aspx


松本先生には明日、「人も牛も幸せになるために」というテーマでお話いただくのですが、このテキストを読めば、明日の徳田さんの実践事例報告と、松本先生のお話が、より深く理解できるだろうと思います。