yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

荒地を耕す人たち

yakinikunanzan2010-08-27


8月25日、ついに念願がかなって、岡山県高梁市の短角牛を見ることができました。
高梁短角牛生産組合事務局長の徳田さんの案内で、高梁市の短角牛たちに会えたのです!
徳田さんが待っててくださるJR岡山駅に着くと、なんでやねん! 土佐の高知のまっちゃんにばったり!



徳田さんは、まずは緑提灯のかかった地産多消レストランにご案内くださり、岡山の有機農産物のレベルの高さを見せつけてくださいました。
「おかやま有機無農薬農産物取扱店」の「晴れ国ダイニング プロポスタ」は、早い者勝ちで数量限定のランチがいただけるお店。お昼前に入店したおかげで無事に幸せなランチにありつけました!




オクラの花びらがおいしいこちらのランチは、「おかやまチョップステーキランチ」。880円! 



岡山産の有機野菜をセイロで蒸した「元気野菜のポッポ蒸しランチ」はドリアまでついて880円!



徳田さんが注文したのは岡山産無菌豚の大判大サービスのカツレツランチ、880円!
気の毒な安さです・・・。


そして、おなかいっぱいの一行を乗せた軽自動車は、一路高梁市へ。
5箇所に点在する耕作放棄地の放牧場のうち、2箇所ご案内いただきました。
最初はこちら。


徳田さんの声を聞きつけ、柿の木の下に集まってきたのは男の子連れの母牛たち・・・。
昨秋、たわわに実ったこの柿の木には見物人が集まっていたそうです。
熟した柿の実が猿に食べられずに枝で実っているのが珍しかったからです。


短角牛たちは、江戸時代につくられた石垣の棚田を舌草刈りで発掘しながら、柿の木も野生の陣地から取り戻してくれているのでした。


二つ目は、こちら。岩手の釜津田から嫁入りしたさくらちゃんのいるところです。
徳田さんは「きよちゃーん、まりんちゃーん、さくらちゃーん、けんちゃーん、かずみちゃーん」と、1頭1頭の名を呼びながら我が子のような短角牛たちと戯れておられました。



このきよちゃんは、人間慣れしていて堂々たる威厳のあるお母さん牛。
徳田さんが取り組んでおられるもうひとつの仕事、「ポテト研究会」のアジトから持ってきたジャガイモをたくさん食べてご満悦でした。


高梁短角牛生産組合の立ち上げから、放牧地(耕作放棄地整備地)が5箇所に増えるまでの苦労話(知恵と工夫に満ちた開拓物語)や、稲刈りあとの田んぼに牧草の種を蒔いて、そこに短角牛を放牧すると、翌年のお米の収量が上がったというお話も興味深いものでした。


徳田さんに散々お世話になった岡山をあとにして、次に向かうのは今治です。
瀬戸大橋を渡るころには夕日が美しく、瀬戸内海には神がいる〜〜と、うっとりしてしまいました。



今治では、翌朝6時過ぎから「さいさいきて屋」さんへ。
ここは、人口11万人の地域で小規模兼業農家1300人を組織し、年商20億を売る日本一の直売所なのです。
徹底的に今治産にこだわる、今治への地元愛に満ちた痛快な取り組みを見せていただいてきました。






朝6時半には、会員農家さんたちが列を成して商品の入荷。商品を種類ごとに並べ、夕方には売れ残りを引き取って帰らるというシステムで、農家さんがパソコンに自分のバーコードを打ち込んで商品のラベルを出力。値付けも出荷数も自由です。
まさに農家さんにとって、さいさいきて屋は共同の市場。花束3束だけを納品される農家さん、規定の納入かごにレースのかわいい飾りをつけておられる方、どなたも生き生きと楽しそうで、スーパーとは全く違う市場の活気が感じられる「たくさんの人が幸せになる場」が、そこにありました。


農業の担い手不足が深刻な日本で、さいさいきて屋さんにとっての農の担い手は、55歳から死ぬまで農業をやろうという人たち! 研修農場、実証農場も充実し、農業経験のない農家の後継者教育もバッチリ対応できるのですからすごいものです。
農業の大規模化・産業化とは別の方向にある、小規模兼業農家さんたちを元気付ける取り組みは、今後ますます注目を集めていくことでしょう。





カフェもセルフ食堂も、食材はすべて直売所からの仕入れ。当然100%地元産です。
飲食で3億の売上げがあるというのですから恐れ入ります。


百聞は一見にしかず。ぜひ実際に見に行かれることをおすすめします。
HPもブログも充実しています。
http://www.islands.ne.jp/ochiima/yorozu/choku/index.html


西坂店長、松木さん、本当に有難うございました。
このお二人の農への思いの深さ、食への思いの熱さは半端ではありません。