yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

食が等なれば、諸法も等なり

yakinikunanzan2010-07-05


7月2日から4日まで、福井県で開催された「全国農村交流ネット21」に参加してきました。
永平寺と深い縁のある大野市の皆様に大変お世話になり、雨の中を朝市をめぐって大野市の「そろばん侍」の心意気に触れたのち、雨の永平寺へ。


永平寺では、西田布教部長さまからの法話。「精進料理の心」について、本当に良いお話を有難く有難く傾聴させていただきました。
「食(じき)が等なれば(整えば)、諸法も等なり(すべての物事が整う)」


・・・人間は生まれたときから「食べないと死ぬ」という病をわずらい、生きるためには他の命をいただかねばならない。
いただいた命で養う40兆の細胞の命を、何のために生かすのか・・・。死んでくれた命を無駄にしない生き方ができているか、そう問われると、「食べるということ、生きるということ」の意味の重みがずしりと心に落ちます。


永平寺を拓かれた道元禅師は、酸・苦・甘・辛・鹹(かん:塩辛さ)の五味に「淡」加えて、六味とされたということで、この「淡さ」が食からも失われ、食の乱れが諸法の乱れになるがごとく、「淡い」味わいが消えて、喜怒哀楽を刺激することだけがエスカレートしていってる・・・ということにまでお話が及びました。


永平寺内を案内してくださったのは、「英心」という名の若い雲水(修行僧)。今年の2月から修行に入られたばかりの22歳です。


この英心さんのお話にも聞きほれました。


修行に入る者は、極寒の2月に永平寺の山門に立ち、ここで数時間放置されて、厳しい修行への決意を試されるのだそうです。「中には、吹雪の中で何時間も立ち尽くしたのちに入門を許される者もおります。・・・」と聞き、その厳しさと、厳しさに立ち向かう若者の志の貴さに涙がでそうになりました。英心さんは我が家の三男坊主にそっくりで、よけい母心が刺激されたのですが・・・、「わたくしの場合は、2月でも、日がぽかぽかと照る、たいそう暖かな小春日和でございました」と英心さんが続けられたもので、出かけていた涙が、笑い涙になって爆笑と一緒に噴き出してしまいました。



永平寺でのことを家に戻って子ども達に話して聞かせると、我が家の三男坊主(↑中学2年生)も、いつか永平寺で修行してみたいと、あこがれてくれました。


ところで、熊本大学の徳野先生によると、道元禅師は、永平寺が大きくなる中でこの寺を去り、実際には大野市宝慶寺というところで修行を続けられたのだそうで、永平寺を大きく発展させたのは、経営力のある2代目だったとのことです。


道元禅師というすばらしい方を看板に、伝統と歴史の中でますます価値を高めていく永平寺に、「我々、愛ある詐欺師の目標は、めざせ永平寺!」というのが、徳野先生の締めの言葉でした。