yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

原点回帰のお宝発掘

yakinikunanzan2010-01-27



本日、南山においでくださったお客様は、京都府洛北高校昭和33年卒の大先輩。
加藤松林人画伯の絵が南山にあると知って、はるばる訪ねておいでになったのでした。


加藤松林人先生は、ダムに沈むことになった滋賀県永源寺村を絵に描きとめておられた画家で、その村の話を聞きつけた南山の創業者がその村へ飛んで行って現在の南山の建物を譲り受けたのでした。


加藤先生が描かれた永源寺村の絵は、南山のレジの上に掲げられているのですが、実はこれ以外にも美しい絵が4点も南山にあったのです。


洛北高校の大先輩がその絵を見に来られるというので、大急ぎで探しまわり店内に飾ってみました。






加藤先生は、失われていく日本の美しい村を描きとめられたように、戦前の韓国・朝鮮の美しさを絵と文に遺しておられる素晴らしい画家で、「韓国の美しさ」という本と「朝鮮の美しさ」という本も、南山の倉庫からカビ臭くなって数冊ずつ出てきました。


大先輩は、すかさず、今は手に入らない貴重なその本を1冊お買い求めになり、南山にある絵を1枚1枚いとおしげに写真に収めて「これほどの絵はなかなか見つからない。加藤松林人先生の故郷、徳島県阿南市市長が大喜びなさるだろう」と感嘆しておられました。



先輩(上の画像右側のお方)は、昨年11月に、加藤画伯の絵画展を大阪で開催されたのだそうですが、ソウルとピョンヤンでも開催すべく動き始めておられるとのことでした。


戦前の美しい韓国と朝鮮が、かの地を心から愛した日本人の絵と文になって残されていることを、ソウルとピョンヤンの方々に見ていただけるなんて、なんとすばらしいことでしょう!


真珠の値打ちを知らない豚は、あわてて加藤先生の著書の手入れを始めた次第です。


がりがりにやせて、眼がきらきらしておられた、奥ゆかしい加藤先生の面影は、子ども心にも別格の「美しい人」というイメージで心に残っています。


南山のもう一つの宝物、南山の先代がこだわった「麦ごはん」も、南山に復活しました。
「あぁなつかしい。やっぱり焼肉には麦ごはんやわ!」と古くからの常連さんに喜んでいただくことができました。



豚は豚でも、真珠の値打ちのわかる豚にならねば!
また一から原点にかえって、創業者の想いを形作っていきたいものです。


加藤画伯の絵は、そういうわけで本日から南山で展示しています。加藤先生の文章の美しさにも感嘆してください。


追記:早速、本日ご来店のお客様が、しばし絵の前に佇まれ、「なんとすばらしい絵と文章・・・、こんな所にかけておくのはもったいない。」と、おほめ(?)下さったそうです。