yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

「食・農・ムラ」シンポジウム大爆発

yakinikunanzan2009-10-25



10月23日(金)は、福岡のグラノ24Kさんの「ぶどうの樹」で徳野貞雄先生の還暦を祝う「生前葬」があり、「日本暴創院徳快舌耕居士(にっぽんぼうそういんとっかいぜっこうこじ)」という快名(戒名)を与えられた徳野先生の口宴会(こうえんかい)に参加させていただきました。


「天気と食は西から変わる」を実感するような大型台風! すごい刺激を受けました。


徳野先生に、ムカついた人、振り回された人、食事中にもしゃべりつくす徳野先生から唾や飯粒をかけられた人などなど、「徳野先生被害者の会」の面々が集まっての「徳野先生に思いっきりしゃべってもらう会」だったのですが、1泊2日でも足りませんでした。








1日目は、先生の成り立ちをたどる口演会と還暦祝い。
喪主(?)の奥様と奥様似の美しいお嬢様からの挨拶にも場が盛り上がりました。


そして24日(土)は福岡国際会議場メインホールでのシンポジウム。
組織的な動員は一切なしで600人ほどが集まった会場は、9時半から5時までがあっという間。




「軟弱な劣等動物の人間が、自ら食料を作って生きられるようになって初めて「地上最強の動物」となったのが、たかだかこの50年ほどで食料を作らない人間のほうが圧倒的多数を占めるとんでもない社会になってしまった」のですから、これは、「人と暮らしの有史以来の大変動」の問題で、人口減少を踏まえてこれからどう生きていくのか、誰が安全安心な食料生産を支えるのかという、刺激的な話が続きました。


パネラーお一人お一人の話だけでも1日中でも聞く価値のある方々ばかり・・・。前日のご馳走も、シンポジウムも、容量オーバーになったことが悔しいすごい2日間でした。


この2日間を咀嚼し消化するのは一生かかりそうですが、徳野先生の著書をしっかり読めばなんとかなるということで、私が感銘を受けたことをメモしたいと思います。


まずは、グラノ24K小役丸社長の作り出される場ともてなしのすごさ! 
そして合鴨家族の古野農場さんの成功が技術以上に販売にあるということで、「スローライフは忙しい」とおっしゃる古野さんは、月・火・水・金を配達に当てておられるとのこと。


古野さんの奥さんも、シンポジウム会場では農産物の販売に専念。そして、「かの有名な古野さんの奥さん」には、移動中のバスの中でも感銘を受けました。
奥さんは、農家仲間に頼まれたというイベントのチラシを配り、前売り券の販売もされたのですが、揺れるバスの中で、チラシを一人ひとりに直接手渡し。「まわしましょうか?」と、気を利かせた方の呼びかけに、「いえ、直接手渡します」とニコニコ返され、マイクでそのイベントのPR。前売り券がいかに御得かも、具体的に、そして熱心に説明されたのでした。
「この人が言うなら行こう」とチラシも見ずに思わせてしまうのが古野さんの奥さんの魅力です。




有機農業の実践者の方々が口をそろえておっしゃるのは、「農産物自体に自信があるわけではなく、もっと質のよいものはあるだろうけど、売っているのは人・つくり手そのものなんだ」ということで、古野さんご夫婦からそのことを具体的に教えられた気がしました。


古野農場で研修しておられる若者たちが学ぶのは、農業技術以上に、家族の生き方・暮らし方、そして消費者と直接つながる農産物の売り方なのです。


この時代に農業を続けておられる方というのは、他の分野に出ればどんと金儲けできるであろう才覚の人ばかり。
限界集落なんて、とんでもない! うちの村にはホームレスはいない! 破綻市街地の人間から限界集落などと呼ばれたくはない!」とおっしゃる村人の気骨にもうっとりさせられました。


魅力あふれる人たちの元気を頂き、この空気を京都にももって帰らねば! と、わくわくしながら帰ってきたのでした。


実行委員の皆様、本当にすばらしい2日間をありがとうございました。