yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

農商工連携に思う

yakinikunanzan2009-08-29



9月1日から予定している南山恒例の新米フェア・・・、今年の新米は長雨と日照不足で、収穫が遅れそうです。
お客様にはそのままの状況をお伝えして、もう少しお米に関心を持っていただくきっかけになればと思っています。
今年の新米フェアでは、新米2キロが当たる抽選会(空クジなし!)や、「一緒にお米を作る会」の呼びかけもする予定で、南山もほんの少し自給力の向上に踏み出します。


さて、9月1日に、きょうと農商工連携フェアが、京都テルサで開催され、南山もこのフェアでブースを出展するのですが、ここでの目玉は、福岡の「グラノ24K」社長、我らが「しゅうちゃん」こと、「南山はなれのプロデューサー小役丸秀一社長の講演と、宮津飯尾醸造さんの事例発表。


農商工連携」のモデルとして絶大な尊敬を集める企業トップお二人のお話を無料で聞けるのですから、これは大いにPRせねばなりません。
ということで、京都府農林水産部担い手支援課の方と一緒に地元放送局のKBS京都テレビで、農商工連携フェアのアピールをしてきました。


テレビでは、農商工連携事業の一例として、南山と日本海牧場さんの連携事業「京たんくろ和牛ブランド化事業」を紹介させていただいたのですが、スタジオに持ち込んだ京たんくろ和牛のパネルやのぼり、そして南山のお肉もばっちり映していただくことができました。
丹後のお宿やレストランでも京たんくろ和牛がお召し上がりいただけるということもPRできました。


生放送番組のうち5分ほどの時間でしたが、番組司会者の大浦理子さんと笑福亭鉄瓶さんが、京たんくろ和牛のロースステーキを、とてもおいしそうに食べてくださいました。
放映された部分は、仕事上のおいしさ表現のように見えましたが、場面が切り替わった瞬間お二人とも「ほんまにおいしいわ!」とパクついておられましたので、本当においしかったはずであります。




超特急で作った京たんくろ和牛のパンフもテレビでご紹介いただくことができ、感謝感謝でした。


ところで、農商工連携は、日本の食料自給率がさらに下る危機をくいとめるため、農業者と商工業者が連携して農業ビジネスの可能性を拓き、農業の担い手不足を解消しようという趣旨のものです。
要は「こうやったら儲かりました!」という事業例を作ることで、農業への参入者を増やし、食料自給力を高めようというところでしょうか・・・。


しかし…!! 南山と日本海牧場さんとの連携事業は、年間30頭ほどのレアな(マイナーな)牛のブランド化。儲け話になどなるはずのない規模ですし、グラノさんの取り組みも、飯尾醸造さんの取り組みも、儲けを誇る事業ではなく、地域の食や文化を守り、とにかく汗をいっぱいかいて大地を味方につけるような元気はつらつ事業・・・。


同じことをまねしても、大半の人は弱音を吐いてしまうような手間隙のかかる(効率の悪い)ことを、グラノさんも飯尾さんも敢えて楽しげに生き生きとやってのけておられるのです。


つまり、その事業を進める人たちの価値観が「金儲け」と違うところにあるから、これほどまでに値打ちのある企業として存続しておられるのではないでしょうか。


食べられないお金よりも、食べられるものを大切にしていくことの豊かさ、安心感・・・。これは数字では表現不可能なものです。
企業の決算書に、自給力計算書なんてものを添付する時代にでもなれば、預金や株券、不動産の名義人になる競争から、食料生産能力の競争に流れが変わるかもしれません。


食べていけるという確かさ、豊かさ・・・、分け合い、支え合える幸せ・・・。南山が仲良くしている仲間や農家さんからは、そんな幸せの自給力も学んでいます。