yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

自然の音に耳を傾ける旅

yakinikunanzan2009-06-15



京丹後市網野町は、東経135度の子午線が縦断する日本列島の最北端に位置しています。
この網野町日本海を見下ろす高天山という山の中腹、「日本海牧場」の一角に、高さ3メートル、長さ17メートルの壁が二面あります。素材は日干しレンガ。レンガは近くに産出する土でつくられています。


この壁を1年半かけて創作された世界的なサウンドアーティスト鈴木昭男さんは、1988年9月23日の「秋分の日」のたった一日のプロジェクト「日向ぼっこの空間」のために、この壁を作られたということです。


「自分は都会の喧騒に慣れてしまって、子どものころのように自然の音にじっくり耳を澄まさなくなっているんじゃないか・・・」そんな自問の中から生み出されたのが、終日、一所に留まって自然の音に耳を澄まし続けるという異色のプロジェクト「日向ぼっこの空間」なのでした。


鈴木さんは、このプロジェクト実現のために、思い切って東京から仲間ともども網野町に移住されたというのですから、網野という町は不思議な魅力のあるところです。


鈴木さんが作られたレンガの壁は、20年余りの歳月を経て、自然と一体化し、今もそこにあり続けています。


この素敵なレンガの壁のある日本海牧場へ、京たんくろ和牛を見に行く牧場見学ツアーを企画中です。


こんな夕日の見られる八丁浜のそばにある民宿「笑楽」さんで一泊し、海の音、山の音、風の音に耳を傾けてみませんか。
食べ物が作られる現場を見ることで、「食べる」ことが何を支え、あるいは何を破壊しているのか、身近な問題として知ることが出来ればと思っています。


京たんくろ和牛が育つ「日本海牧場」の創業者故山崎欣一氏の思いが、30年の時を経てどういう形になっていくのか、そんなロマンに思いを馳せる旅でもあります。



日本海牧場には、コテージも数棟あり、故人の目指された「やま地酪農」への壮大なロマンがしのばれます。


京たんくろ和牛を訪ねるツアーは、7月25日(土)・26日(日)に予定しており、ただ今、案内チラシをあせりながらつくっているところです。


このツアーでは、クリーンエネルギーと循環型農業に取り組む先進的な京丹後市の取り組みも学ぶ予定で、京丹後の「森林の牧場」も見学する予定です。



上記画像は、「森林の牧場」のHPのものです。
ここは、日本海牧場の取り組みに倣ってつくられた牧場で、ジャージー牛が通年放牧されて林業と酪農の複合経営に挑戦しておられます。
ここを経営するアミタさんの挑戦については、トップの語りを下記で味わってください。
http://www.tv-tokyo.co.jp/emorning/contents/2009-05/22/031703.html


このツアーの下見2回目は、6月18日と19日。


京たんくろ和牛ブランド化事業の専門家委員会を19日に現地開催するので、下見も兼ねて前日は京都大学の柏久先生率いる学生さんたちのチームも一緒に、日本海牧場ツアーです。


柏先生は、日本海牧場の創業者、故山崎欣一氏から薫陶を受けてやま地酪農にいよいよ挑戦なさろうという破天荒な先生です。



たった30頭しか生産されていない京たんくろ和牛をどう流通させるか・・・。
これは、「流通」ではなく、生産を支える人とどう分け合うかという世界です。


岩手の誇るプレミアム短角牛も今年は50頭生産され、そのうち岩泉町のプレミアム短角が18頭市場に出されました。


この最後の1頭、南山で扱う6頭目が7月に入ってきます。


希少な短角牛の生産と流通の大変さから学んだことを、京たんくろ和牛でどう生かせるか、専門家の先生方からしっかりご助言いただきながら、農商工連携事業を実らせたいものです。