yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

本当におもしろい牛肉の食べ比べ

yakinikunanzan2009-01-22



昨日、南山にとても楽しいお客様がおいでになりました。
高知県農業振興部畜産振興課の公文さんです。


公文さんは、土佐の赤牛に情熱を燃やす県職員さんなのですが、昨年の夏に初めて南山においでになり、短角牛と近江牛と、白キムチのおいしさに感嘆してくださったのでした。


今回は、畜産試験場の仕事仲間と土佐赤牛のリブロースを伴ってのご来店です。


土佐の赤牛というのは、年間600頭ほどしか出荷されていない希少な和牛で、いわゆる褐毛和種に分類されるのですが、この褐毛和種は、熊本系と高知系に分かれていて、土佐赤牛はほとんどが高知県で消費されているようです。


昨年は、こんなにかわいい眉毛のある赤牛が誕生し、話題をよんでいる土佐の赤牛・・・。お母さん牛だけが放牧されるとても美しい牛です。


(画像は下記記事中のものです)
http://www.pref.kochi.jp/~chikusan/mayugekun.htm


しかし、残念ながら「高知県産の和牛(土佐和牛)」として黒毛に混じって市場に出るため、お肉になってしまうとそれが赤なのか黒なのかわからず、土佐赤牛の独自性がなかなか確立しないのが悩みとか・・・。


赤牛の生産者さんも、どうしても市場評価の霜降り度を意識して肥育をされるため、せっかく赤身がおいしいはずの土佐赤牛が、黒毛和牛のような肉に近づき、それでも刺しでは黒毛に及ばないということで生産が減っていく・・・という、なんとももどかしい現実があるそうです。


早速食べ比べてみました。



↑土佐赤牛のリブロース



近江牛のサーロイン(滋賀県近江八幡市大中町・木下牧場さんより)



↑短角牛のサーロイン(岩泉町・畠山利勝さんより2シーズン放牧のもの)



↑京たんくろ和牛のサーロイン(京丹後市網野町日本海牧場より)



↑南山の白キムチ



近江牛、クリミ(ウデ系)のステーキ。わさびで。


あっけらかんと赤い、極端に刺しの少ない短角牛の旨み、刺しが多いのに脂っこくない近江牛の脂質のよさ、その中間のタンクロ(京たんくろ和牛)の食感のよさと旨み・・・。
南山の3種の和牛の特徴は、見た目も味も、その違いがわかりやすかったのですが、土佐の赤牛は、どちらかというと黒毛和牛に近く、脂も甘くてとても柔らかいよい肉質で、赤身を期待していただけにちょっと驚かされました。


でも、せっかくの赤牛・・・。黒毛和牛との差をもっと明確にして赤身を際立たせる勇気をもたないと、黒毛に埋もれた存在のままになってしまうのでは・・・と思わされました。


霜降りへの勇気・・・。脱市場評価への勇気・・・。
こればかりは、消費者による食味評価の実績をつくるという地道な産直販売に頼るしかないのかもしれません。


このところ、食べ比べを目当てにおいでになる方が多く、特別に用意してはお出ししていたのですが、本当にこういう食べ方は3種の和牛の特質がよくわかって面白く、霜降り肉と赤身肉のバランスがよいせいか、食べやすくてとても満足感があり、おいしいのです。


これは南山ならではのメニューにせねばということで、南山の「3種類の和牛食べ比べメニュー」を販売しようとただいま準備中です。


お一人様でもお試しいただけるようにと、3種類のお肉の3種の部位をワンプレートにして試作してみたのですが・・・↓


これは失敗でした。
1人前の食べ比べのお皿を、一人が黙々と食べ比べる・・・というシチュエーションがいけなかったようで、やっぱり焼肉は、わいわいと賑やかに本音で食べてこそおいしいもの。


バラ系、モモ系、ロース系それぞれのメニューを作り、軽く3種の和牛が食べ比べられるメニューを作るほうがよさそうです。


ひまな季節だから出来る数量限定のメニュー、2月には登場です。