yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

滋賀の生産者さんの心意気

yakinikunanzan2008-08-29



お盆を過ぎ、天気になれば稲刈り…という段取りが、雨・雨・雨・・・。
新米の収穫は遅れ、近江牛の農家さんは稲わら集めの予定が立たず…、で、天気に左右される農家の方々は大変です。


焼肉業界も、秋の気配を感じるころからシーズンオフ入り。それこそ秋風が吹く、なんともいえないもの寂しさが漂い始めるので、そんな空気を吹き飛ばすように、スタッフ研修や産地交流を企画しています。


9月24日(水)には、一日お休みをいただいて、スタッフ全員で滋賀県へ研修旅行。
南山がお世話になっている農家さんたちもいっしょに、温泉&宴会を楽しむ予定で、この日は木下牧場さんのご指導のもと、一番人手がかかるという仕事「稲わら集め」をみんなで体験させていただきます。


食料自給率の向上や環境保全は、たぶん、結果から見たあとづけで、木下牧場さんたちは、大切な牛さんたちに、わが子同様、少しでもよいものを食べさせたいという単純な思いで、骨身を惜しまぬ畜産をなさっているので、それが結果滋賀の環境保全型循環農業を支えていくことになったのでしょう。


自家産トウモロコシ作りに汗なさっている岩泉のプレミアム短角牛生産者さんもそうですが、木下さんたちも、家族総出の働き方が、並みではないのです。



さて、近江牛は、7月17日からスタートした「近江牛の認証制度」で、下記のような認定書が発行されるようになりました。


これは、A4かB4以上の近江牛で、滋賀県か東京の芝浦でと畜された、協議会の会員だけに与えられる認定書なのだそうです。


木下牧場さんのところの近江牛認定書には、「滋賀県生まれ」と赤い字で表示されています。


↑木下牧場さんで生まれた子牛(木下さんのブログより)

人工授精師でもある木下その美さんのこだわりは、種と母牛とのかけあわせから、お産と子(牛)育てにまでいたります。
追求する質の程度がすごい! というか、自分のところで育てた牛の味は、食べてわかるというレベルなのですから恐れ入ります。
お盆に南山でお食事された折に、「これ、うちの牛と違う!」と、肥育担当の木下家のお嬢さんが言い当てられたのでした・・・。


9月24日の研修では、近江悠紀会の岡本さんから紹介された気骨のある農家さんのところも見学させていただく予定で、先日下見に行ってきました。


このディードット農園の松本さんは、電気会社勤務から農業に転進なさった方で、無農薬野菜づくりに徹しておられ、これがまた、ものすごく真面目なのです。
苗から育てたトマトは無農薬栽培とはいえない(苗になるまでの栽培方法に自分で責任を負えない)というわけで、またその横に同じトマトを種から植えなおしておられるのです。


虫除けになるネギもいっしょに植えられていました。



隣のハウスでは、土の消毒中。消毒といっても、薬ではなく、太陽の熱で虫も雑草も一掃するというわけで、ここには葉っぱものが植えられるのだそうです。


収穫期を終えて、虫食いだらけになった青ジソもおいしそうでした。


10月には、「かぐや姫」の稲刈り。この日には岡部農園さんの畑に植えたお芋を収穫し、焼き芋をし、稲刈り後の稲わらを木下牧場さんへ届け、南山に戻って生産者さんたちもお招きして焼肉&新米で交流を楽しむ予定です。


お母さんというのは、すぐ怒るし、しょっちゅう怒るし、機嫌が悪いときの方が多いものだけど、たまに子どもたちがちょっと仲良くしてくれて、力を合わせてお母さんが喜ぶことをしてくれたなら、ころっと、上機嫌になって、元気を取り戻して、思いっきり気前よくなってくれるものです。


母なる大地が、にっこりほほえんでくれるような、そんな大地との付き合い方を模索しながら、実りの秋を満喫したいと思っています。