yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

釜津田の冬の短角牛!

yakinikunanzan2007-11-27



昨日、岩泉から冬の短角牛(31ヶ月齢)が2頭届きました。いよいよ冬ギフトのシーズンに突入です。


届いたのは、釜津田の佐藤富勝さんと畠山利勝さんのところの牛です。
どちらも、短角牛発祥の地・岩泉の釜津田育ちです。



畠山さんの牛(07年7月撮影)


釜津田は、「農家の嫁の事件簿」の舞台としてすっかり有名になってしまった感がありますが、実は、アメリカから明治4年に海を超えてやってきたショートホーンが婿入りしたのが釜津田。宮古に到着した婿殿は、花嫁「南部牛」の待つ釜津田へ山道を歩いてやってきたのだそうです。


岩泉の急峻な山道で荷を運ぶのは馬には無理なことで、特に旧南部藩の北部地域では馬よりも南部牛が活躍してきたそうです。
この丈夫で強い母ちゃんに惚れてもらえたのですから、アメリカから来たショートホーンはさぞ魅力ある雄牛だったのでしょう。


こうして荷役牛だった南部牛は、ショートホーンとかけ合わされ、改良を重ねて今の日本短角和牛となりました。その改良を担って来たのが釜津田の方々だったのです。(昭和32年に日本短角和種が和牛として認証されました)


ちなみに和牛といっても、もともと農耕牛だった黒毛和牛の先祖も、外来種との掛け合わせで肉用牛として改良が重ねられており、唯一「但馬牛」だけが、純粋を守っているのだそうです。


釜津田というところは、本当に魅力的なところで、釜津田を流れる小本川の源流に、卒倒するほど美しい櫃取湿原があります。


櫃取湿原


この湿原が美しく保たれているのは短角牛による放牧のおかげで、水芭蕉や石楠花、カタクリの花の群生が見られるこの世の天国です。


気の遠くなる試行錯誤を重ね、時間をかけて改良されてきた現在の和牛・・・。実際には、今も試行錯誤が重ねられ、改良が進んでいると思ったほうが良いのかもしれません。
どんなブランド牛であろうと、牛一頭一頭の個体差は大きく、味のよしあしは偶然の産物としか言いようがないと生産者さんはおっしゃるのです。


見た目の評価ではなく「牛肉の味と、健康への効用」を追求していくには、食べた側が生産者さんへ食後感をフィードバックするシステムが必要です。
南山の焼肉ギフトの食品表示には牛の名前入りの「子牛登記証」をつけており、お客様には、召し上がっていただいた牛の名前とその食後感をファックスやはがきで送っていただくようにしています。


昨年から始めたギフトには、お客様から感動的な感想がたくさん寄せられました。



つい最近は、佐藤安美さんの31ヶ月のメス牛を召し上がったお客様から、「最高に美味しかった!」と感動的なお便りをいただきました。
スポーツのあとの筋肉痛をアミノ酸たっぷりの赤身の肉で回復しようと思いたたれたこのお客様、脂っ気のほとんどない短角牛のモモの「ラムシン」の味に感動され、
「この赤身のジューシーさは、高地で運動してつくられた筋肉の旨さなのでは・・・」との推理までお寄せくださいました。


白っぽいピンク色の高級な霜降り肉より、アズキ色にすら見える赤い短角牛の味を好む方が増えています。


この冬も、沢山のお客様の声を、産地に届けたいと思います。


ぜひ冬の短角牛を、ご家庭でも召し上がってみてください。


ギフトの詳細は、下記にございます。どうぞよろしくお願いいたします。
http://www.nanzan-net.com/hanbai/gift.html