yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

美しい散歩道

yakinikunanzan2007-06-09



今年の2月に脱温暖化行動キャンペーンに参加して以来、京都の北山通りが素敵な散歩道となって、歩行者が増えればいいなぁと思いつづけてきました。


そんな同じ思いをもつ地元パワーが、北山通りに花を植えようと動き出してくださり、加茂川〜高野川の間の北山通りは、街路樹の周りにかわいいベゴニアが植えられていっています。


南山の前にも早々に植えていただき、それ以来、空き地前の街路樹もふくめ、
10箇所ほどの花の水やりが私たちの大事な仕事のひとつになりました。


気が遠くなるほどの数、花を植えてくださったボランティアの方々の苦労を
思えば、花に水やりをすることぐらい、なんてことはありません。


とはいうものの、雨が降ると、ほっとするのも人情。
大地を潤してくれる恵みの雨、大歓迎です。


花を手入れする人が増え、道路も清掃されてごみが減り、そして散歩を楽しま
れる方が増えれば、北山通りは生き生きとしてくるに違いありません。


足の弱ったお年寄りが気持ちよく一服できるよう、ベンチもきれいに
拭いておかないと!!
・・・そして、気づかされました。にわか雨が降ったら雨宿りをする場所も必要でした。


昨日の雨・・・。南山の駐車場で、美しい老夫婦が雨宿りなさっていたのです。
奥様のリハビリのために、散歩をされていた田辺昇一先生ご夫妻でした。


経営の神様といわれ、神様・仏様・田辺先生・・・という枕詞で語られてきた田辺昇一先生。


田辺先生は、引退されてからはご近所でお見かけすることが増え、本当に生き生きと
何にでも興味を持って、気さくに楽しげに毎日を暮らしておられるようでした。


しかも先生は、奥様が倒れられてからの4年間、ご自分でもおっしゃるとおり
かいがいしく看病に専念され、毎日歩いて食料品の買い出しにも出ておられる
のですから、その後ろ姿に手を合わせたくなります。


そして、いまや奥様はごいっしょに散歩されるまでに回復されたのですから、
田辺先生のすごさには、それこそ神様・仏様に近いものを感じてしまいます。


駐車場で雨宿りなさっている田辺先生ご夫妻を見つけ、せめて店内で腰掛けて
いただこうと、声をかけさせていただいたところ、先生は、こちらがなんと
言おうが、さわやかに固辞され、しばらく立ち話で貴重なお話をしてくだ
さった上、「さぁ、お客様が大事ですから早くお戻りなさい」と、こちらを
たしなめられて、やがて雨の中を傘さして歩いてご自宅へと帰られたのでした。


しばしの立ち話でしたが、少年のように目を輝かせていろんなことを興味深く
話題にされ、驚いたことに、料理も楽しいし、奥様の介護も「要介護認定基準が
どんどん下がって、受けられる支援が減った」と、それをとても誇らしげに
語られるのです。


なんと素敵な85歳!! 


昨日は、雨のおかげで、美しい先達の姿に触れる貴重なひと時を得られたのでした。