yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

よく学び、よく笑った2日目

yakinikunanzan2007-02-27



スタッフ研修2日目は、早朝6時起床でジャージー牛の乳搾り。
睡眠時間1時間の子もいましたが、見事全員が「朝のひと仕事」に参加。


宿舎では、モクモクのスタッフさんたちと飲みなおす子あり、マージャンに興じる子あり、討論を続ける子あり・・・と、みなそれぞれが思い出深い合宿の夜を過ごしたようです。


朝食後は、眠い目をこすりながらも8時半からミーティング。
第1講座は、調理長による牛肉の話です。



枝肉全体の画像と、仕込みの場面での部分肉の画像をテキストにまとめてくれ、
近江牛、交雑牛、短角牛それぞれの特徴と共に、わかりやすく解説してくれました。


このあとは、昨夜の討議から導き出された、各人の仕事に対する思いの発表。


ここでは、観念的な仕事の話ではなく、みなそれぞれが向き合っている
現実の仕事に対し、具体的に行動を起こしていきたいという意欲に満ちた
発言が多く、新人を育てる悩みや、ミスの防止策、チームとしての連携の
あり方など、各人の問題意識が素直に表現されていました。


みなの思いと方向は、これでよく分かったので・・・と、この次に用意されていたのは
各持ち場ごとのチームに分かれての討議。具体的な改善と提案がテーマです。


このミーティングを企画してくれた二人の副店長は、FARCAのレストランセミナーで
鍛えられたおかげで、その経験をこうして南山のスタッフ研修に見事に取り込んで
くれたのでした。


討議は、果てしなく続きましたが、食い違う意見や他部署への注文も、よりよい
仕事のためならという前向きな雰囲気の中で、どんどん消化されていってました。



結局、モクモクの研修棟でぎりぎりいっぱい時間を費やし、ファームを見学できない
ままになってしまいましたが、参加者全員がモクモクのソーセージをお土産に
いただいて、大急ぎでバスに乗り込みました。



次の目的地は信楽です。
ここからは、固いことヌキの遠足気分。
みな一人ずつが陶芸作品を作りあげ、陶芸の才能のなさを自覚し、次へ出発。


竜王町に着くと、まずは近江牛肥育農家「岡喜牧場」で、牛舎の見学です。



岡喜の岡山社長からもいろいろな苦心談を聞かせていただき、肥育農家の
大変さ、経営者としての苦悩など、我々のような単なる焼肉屋には考えられない
仕事の世界を垣間見せていただくことができました。


岡喜さんは、700頭前後の近江牛を肥育されていますが、そのほとんどが
市場に流れず、ご自分のところ(牛肉の小売とレストラン)で売られるか、
南山も含めて知った人に(縁ある人に)卸しておられます。


このため、市場に出す場合の見た目の華やかさを追うのではなく、肉の味本位に
牛の肥育をなさるので、南山にとっては、とても有難い生産者さんなのです。


まだ日が暮れぬ早い夕食を牧場のそばの「岡喜本店」でいただきましたが、
生きた牛を見たあとの牛肉料理・・・。
皆で手を合わせ、近江牛の命に感謝!の号令で「いただきます」を合掌しました。


華やかな着物姿のベテラン仲居さんたちに圧倒され、南山のスタッフたちは
小さくなっておとなしく、黙々と食事をすすめていました。
が、食事が一通りおわり、この静まり返った場で、どんなカラオケ大会が始まるのか
不安だったところ、一番バッターの江口が、いきなりやってくれました。



棒立ちで、咳払いばかり続いたあと・・・、愛の歌を熱唱!
お店に飾ってあった鉢植えの花なんかを手にとって、超ベテランお母さんスタッフに
その花を捧げ、彼女の日ごろの苦労をねぎらい、場を盛り上げてくれました!


ここからは、もうダム決壊のごとき爆笑と熱唱の嵐!


それでも時間通り7時半にはバスに乗り込んで爆睡で帰路に着きました。


あっという間の夢のような2日間の研修旅行。


入社というか苦節17年のベテランスタッフから、入社3ヶ月の学生スタッフまで
南山始まって以来の研修旅行は、たくさんの方のご協力のもと、無事終了しました。


初日に伺った「たねや永源寺農園」でも、わずかの時間の中で黒豆の選別作業を
見せていただき、バームクーヘンと和菓子やコーヒーをちょうだいしながら
お話を伺い・・・と、もったいないおもてなしを受けました。


このかたじけない貴重な経験を、どう仕事に反映させていくか・・・
重い宿題を背負ってがんばらねば! です。


人を育てる力のある企業になりたい!
まもなく就職する子、まもなく故国へ帰る留学生・・・、南山に縁あった
若者たちが、社会に出た時にしっかり通用する子に育ってほしい。


そして、いつか本気で、職場として南山を選んでくれる子が増えてくれれば・・・と、
こればかりは祈るしかありません。


今年6月には、フランスのトゥール大学から2人の研修生が南山にやってきます。
2ヶ月の研修期間を、南山の若手スタッフと共にしっかり育ってくれればと、
とても楽しみです。(・・・できるだけ、イケメンを! とオーダーしているのです)