yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

よく学びよく遊んだ2日間(Part2)


予定通り午後6時にモクモク手づくりファームに着くと、もったいなくも
吉田専務やおかみ、西川さんらがバスまでお出迎えくださり、こちらが
お世話になってる側なのに、まぁ、どないしましょ!という歓待を受けて
しまいました。


夕食と入浴後は、モクモクの研修棟で午後8時半からミーティング。


南山のスタッフ研修の場に、モクモクのスタッフ達も参加して、南山の創業者の
思いと、南山が奇跡的に生き延びて、FARCAの仲間を得て今日に至る経緯などを
聞いていただきました。



恐縮なことに、ミーティングの出だしを吉田専務が務めてくださり、南山の創業者
孫時英の著書「食べる文化をつくる」を片手に、南山のことをモクモクのスタッフ
たちにご紹介くださいました。


「僕、あんまり本は読まんのやけれど、この本は、最近僕のバイブルになってんのや・・・」
そんなことから始まり、南山の創業者の思いをご紹介くださったのですから、
もう、本当に恐縮するやら、驚くやら・・・。



南山の創業者の思いは、何の縁も接点もなかったモクモク手づくりファームに、
そのまま形作られていっていることがあまりにも多く、わたしは心ひそかに
驚嘆していたのですが、吉田専務からすれば、常日頃自分自身が思っている
ことを、20数年も前に、活字にして本にまとめている人がいるとは! という
ところなのでしょう。


こうして南山についての話を聞いていただいたあとは、南山のスタッフと
モクモクのスタッフさんたち合同で、和気藹々の飲み会。


飲み会を一旦解散した後、南山のスタッフ達はその場で4つのグループに分かれて
ミーティングが始まりました。




ここから先は、副店長達に任せておいたので、どんな中身になるか興味深々
だったのですが、いや驚きました。


討議のテーマは、「仕事とは!」


30分の時間制限を設けたものの1時間近く熱の入った討論が続き、4つのグループ
それぞれが大きな模造紙に発表内容をまとめて、順番に前に出て自分達が
導き出した考えを発表していきました。





お金のため、生活のため・・・からスタートしても、やがて向上心と責任感が
生きがいや自分の存在意義を満たすものを求めるようになり、仕事観が変わっていく・・・
それぞれが、仕事というものを深く掘り下げて実感のある発表をしていました。


この様子を終始興味深く見守ってくださったのが、三重大学の大原興太郎先生。


大原先生は、南山の創業者孫時英の盟友坂本慶一先生から学位を受けられた
坂本先生の弟子で、南山と創業者の最盛期をよくご存知なのです。



これまた、なんという有難いご縁か・・・、先生は、深夜遅くにもつれ込んだ
ミーティングの最後の講評をしてくださり、南山の若手スタッフをとても高く
評価してくださいました。


モクモクの木村社長も、ちょくちょく会場を覗いてくださり、
「こうやって、同じ気持ちになれる仲間が増えるっていうのは、一番嬉しいよな」
と、ニコニコ。


モクモクの地ビールをしこたまご馳走になり、会場は大いに盛り上がりました。





実は、研修旅行の前日に創業者を病床に見舞い、今回の研修のことを報告したのですが、
創業者孫時英は、それをとても喜んでくれたのでした。


まるで春のような暖かな日が差す病床に身を横たえたまま、聞き取りにくい声で
「神様は、大した事業家だよ! こんな自分にも希望をくださるんだ。 
この季節、あんたも好きか?」
そして奇しくも「もういちど坂本慶一さんと組んで、気宇壮大な仕事をしたい!」
と、若かったころにタイムスリップして夢のような話に目を輝かせているのでした。


孫時英は、病床に伏したまま「祈る」ことと「神との対話」を自分の業としていますが、
そこから生まれるエネルギーは、実はものすごいものなのかもしれません。

とにもかくにも、南山の原点帰りの研修は、こうして感無量の1日目を終えたのでした。