yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

岩泉は「食財」の宝庫

yakinikunanzan2006-09-14



10月の短角牛フェアを盛り上げる
ため、フェアで使う岩泉の食材を
いろいろ見ることと、生産者さんに
ご挨拶させていただくことが今回の
旅の目的でした…。


町長との笑いすぎた夕食の席でも、
食材の話で大いに盛り上がったのですが・・・。


「岩泉の花芽わさびで、短角牛の鉄火丼をつくってみたら、
最高に美味しいのができました!! 京都へぜひ食べにいらしてください。

花芽わさびのクキをきざんでご飯に混ぜて、海苔をその上にかけて
短角牛のたたきを乗せて、わさびの花芽のところを上に飾るだけですが、
これに刺身醤油をかけると、もう、最高に美味しいですよ!」


これを聞いた町長は、すかさず
「海苔はどこのを使うんだい?」


「・・・。 もちろん! 岩泉の三陸海岸で取れたものを!」と私。


「海苔は三陸では取れねぇんだ」と町長。


「え!? まぁ、そこらへんの、普通のを、使います…」と、はめられた私は完全降伏。
(・・・でもね、三陸ワカメはつかうんですからね!)


次に「醤油ならこれだ」
と、町長が持ってこさせたのが、これはすごい! 「醤油豆」なるものでした。


醤油になる途中の豆が麹で甘く味付けられたような…、岩泉の母さんの味!

白ご飯にのせて食べると、もう、最高でした。


「ひとつぶ100円でどうだ」と町長から言われましたが、
でも、これじゃぁ焼肉が売れませんし、まして新米フェアー中でおかわり無料の
南山に、こんな美味しいものを持ち込んだときには、商売、あがったりです。
(ごめんなさい。これは個人的に買い占めて帰りました。)


さて、町長と呑みすぎ、笑いすぎで、二日酔いが心配された翌朝は、
龍泉洞のお水をたくさん飲んだおかげで、さわやか〜に起きられました。


10月から南山で売る龍泉洞のお水! これは、本当に美味しい、清らかな水です。
岩と泉でできている岩泉の、汚染されていない大自然の中、長い年月をかけて
石灰岩でろ過されミネラルをたっぷり含んだ、透明度世界一の湧き水。
モンドセレクションで3年連続世界一に選ばれた、名水中の名水です!



旅の二日目は、朝食に薬膳料理をいただき、「岩泉の食と農を守る女性の会」
会長・「食の匠」の称号をお持ちの昆さん(上の画像の新聞に載っている方です)
からもたくさんのお話を伺いました。

話の成り行きで岩泉の松茸を分けていただく商談までさせていただいて・・・。


その後は三陸海岸を見た後、龍泉洞を見学。
膝が笑いだすほど階段を上り下りして、地底湖に湧くエメラルドの水も見せていただきました。


時間を気にしながら、お昼には盛岡に戻り、県庁へご挨拶させていただき、
そこから獣医師の県庁職員さんにもご同行いただいて、次は、岩手畜産流通センターへ。


本当は、宮沢賢治記念館へ行き、10月6日の中秋の名月特別お食事会
歌ってもらうのによさそうな賢治の詩や、岩手の農民詩人の魂に
触れて帰りたいと思っていたのですが、残念ながら時間不足です。


ところがところが、なんとしたことか盛岡で合流した、県庁職員の獣医さんの名刺に、
賢治の詩が印刷されているではありませんか!


日ハ君臨シ輝キハ白金ノ雨ソソギタリ 我ラハ黒キ土ニフシ 真ノ草ノ種マケリ


この方は、酔えばこの賢治の詩を歌うという、「賢治の詩を歌う会」の活動もされている
方なのでした。
名刺は手づくりで、牧草地で草を食む短角牛の群れの写真もついています。


さすがの獣医、短角にまつわる興味深いお話もたくさん聴けました。


短角牛は、放牧中に自然交配で種付けされるのですが、これは人工授精より
はるかに効率的で確実な方法です。


メス牛50〜60頭の群れに、種おす牛1頭が放されるのですが、お父っつぁんは、
実は大変なのだそうで、発情したメスが寄ってくると、逃げ出すこともあるそうで、
子孫を残すための重労働を終えると、おすの体重は100キロほど減るのだそうです。


そんな話を伺いながら岩手畜産流通センターに着きました。
この日は、南山が分けていただく短角牛のと畜がある日で、冷蔵庫には、
1番から4番に短角牛が、もはや物言わぬ枝肉になってつるされていました。
(「と畜したてですから、モ〜となくかもしれませんよ」なんて言われていたのですが)



本日と畜の枝が並ぶ中、短角牛は、内臓が他の牛のと混ざらぬよう、と畜の順番を
1番からにして、内臓まで厳格に選別管理してくださっているのです。


いわちくのこの担当者の方が「隠れ短角まぶりっと」だから、こういう技も
できるのでしょう。


黒毛和牛とは同じ評価基準では比べられない短角牛の魅力を、たくさんの枝肉が
並ぶ冷蔵庫の中で丁寧に教えてくださいました。



岩手畜産流通センターには、「ジョバンニ」と言う洒落たコーヒーショップがあり、
そこがおしゃれな直売所にもなっています。


「ジョバンニ」の庭の木陰でお茶をいただき、いつもお世話になっている
いわちくの担当次長さんとは、初対面ながらも懐かしくいろいろお話させて
いただくことができました。


短角牛の生産者さんの経営が成り立つ価格で、12月には5頭ほど分けて
いただきたいとお願いして帰りました。


5頭というのは、12月には、南山で「短角牛のギフト」に挑戦するからです。
2〜3段のお重に短角牛の様々な部位を、一番美味しく食べられるように切って詰め、
丹後ちりめんの風呂敷できちんと包んで、お野菜やお漬物も別パッケージで添え、
「黒毛和牛を卒業した、健康と自然を大事に考える人」向けに、アピールしていく
という企画が動き出し、急ピッチで準備を進めているのであります。


春には、短角牛を見に行くツアーも組んで、岩泉へお客様をお連れしたいし・・・、
ロマン溢れる短角牛のふるさと岩泉とのご縁は、これからもっと深まっていきそうです。