yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

夢の続き

yakinikunanzan2006-06-28



6月26日(月)には、食農協働レストラン事業協同組合(FARCA) の
通常総会と、外部への情報発信のための「発足記念交流会」と、
「南山はなれ」のオープン披露が一挙に開催されました。


この日に至るまで、モクモク流農村産業研究所の皆さんに支えられ、
すさまじいペースで仕事を積み上げてきたのですが、「この日」は、
当初予定通りぴったり80人の方々の参加を得て、感動的な会合になりました。


宴の後、南山は、丸一日みんな無口でした。
私も含め、スタッフ全員が、この日の出来事の大きさにうろたえ、
異口同音に自分たちのレベルの低さを恥じ、これまでやってきたことを
白紙にしてもっと上を目指してやり直したいと、痛感していたからです。


「食農協働レストラン」というコンセプトで南山パウルス館の空き店舗を
再生させたいという願いを、モクモク流農村産業研究所に頼み込み、
その取締役でもあるグラノ24Kの小役丸秀一社長が、天才のひらめきで
レイアウトや外観のイメージ作りと店舗のコンセプトをまとめてくださり、
すばらしい店舗が出来上がりました。


あとは、南山の自慢の産直牛をここで召し上がっていただくだけ・・・と準備
していたのですが、なんと26日のオープン披露のために、小役丸社長は、
グラノ24Kの精鋭7人をひきつれて前日入りしてくださり、料理の構成から
盛り付け指導、テーブルセッティング、料理の出し方、サービス等々まで
終始現場に立って、新しい「焼肉料理屋」の基本を徹底的に指導して
くださったのです。


25日の午後から料理の試作、盛り付け指導が始まり、器も変更!
箸も、おしぼりも、ナフキンの出し方も変更! 乾杯はシャンパンで! 
南山側の段取りはすべて白紙撤回!


小役丸社長の湧き上がるアイディアに必要なものを集めるため、
南山のスタッフは、オープン前日の夜の8時から買出しに走り回りました。


グラノ24Kから届いた竹の器にあしらう菖蒲の花、箸置きに使う実の付いた枝、
ナフキン代わりに使う日本手ぬぐい、おにぎりを包む竹の皮や松葉串、グラスや小皿、
スウィーツの器などなど、などなど、などなど・・・。


本当に恥ずかしい話なのですが、グラノ24Kから学ばせていただくにあたり、
博多の「野の葡萄」へも行き、福岡県岡垣町「ぶどうの樹」へも行って
「野々庵」で一泊し、八幡屋旅館鮨屋台も見せていただき、おまけに
新入社員研修の様子も見せていただいたのに、「すご〜い! これが
グラノ24Kの世界か・・・」、「また来たい!」と、感心するだけで
焼肉屋ごときに引き寄せて考えることなどまったくしてこなかったのです。
(出張費返還しろ〜! ・・・)


それが、小役丸社長と7人のプロフェッショナルによって、南山の現場に
グラノドリームが展開され、料理も接客もオペレーションも、桁違いの
レベルの世界を、南山の現場で実際に見せていただくことになったのです。


南山のスタッフたちは、「これが仕事をするってことか!」と、黙々と立ち働く
グラノのスタッフさんたちの姿に感嘆!
最後の最後、宴の後片付けまでして、食事もせずに立ち去られたグラノの8人・・・!
かっこよすぎる! すごすぎる! 渋すぎる!


お客様をもてなすという仕事の世界の深さを叩き込まれた2日間でした。


FARCA総会当日の朝、段取りもそっちのけで、どしゃ降りの雨の中を、
言われたとおりに、お料理に添える紅葉の葉やミントの葉を摘んでみると・・・、
世界が、まったく違って見えてきました。


道すがらの景色が流れ去らず、季節の草花の姿に目が留まるようになったのです。


「食を通して、もっと豊かなやさしさを取り戻したい!」
FARCAの旗をデザインしてくださった松崎了三氏が作ってくださった
呼びかけ文の一節が、重く重く響いてきました。


頭真っ白状態で硬直してしまった南山を、モクモク手づくりファームの応援で
しっかりフォローしていただいて、総会も交流会もすべての段取りをモクモク
さんのスタッフが仕切ってくださいました。


未だに夢の中の出来事だったような、6月26日・・・。


現実となってしまった夢の重さを、ずしりと受け止めている南山です。