yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

和牛とは名乗れない国産牛の声


和牛と称することのできる牛肉は、黒毛和種日本短角種
褐毛和種無角和種、そして、黒毛和種と短角牛をかけた
タンクロといわれる和牛間交雑種で、そのほかの日本生まれ
の牛の肉は「国産牛」としか表示できません。


家計を預かる主婦がスーパーマーケットでお肉を買う場合、
鶏肉か、豚肉か、それとも思い切って牛肉にするか・・・と
迷い、ふんぱつして「牛肉」と決心した場合、次に迷うのが
輸入ものか「国産牛」か・・・というところでしょう。


黒毛和牛にはそう簡単に手を出せません。


迷った挙句、たまには少し贅沢をと「国産牛」を買って帰り、
「やっぱり国産の牛肉はおいしい」と、うれしい気持ちに
なるわけですが、この場合の「国産牛」は、
そのほとんどが、ホルスタインの去勢です。


母牛のミルクの出をよくするために生まれてくる
ホルスタインのオス(去勢)が、やはり市場に出回る
量としては一番多いのではないでしょうか。


婚礼で出されるヒレステーキなどにもホルスタイン
よく使われているそうです。


さて、南山の産直牛、椎名牧場の「八千代黒牛」は、
黒毛和牛とホルスタインの交雑種で、和牛とは称せませんが、
トレーサビリティー法が施行されるまでは、流通段階で
黒毛和牛というレッテルが貼られて売られていたそうです。


トレーサビリティ法施行後、黒毛和牛の価格が高騰したのは、
父親の名を名乗るのにふさわしい良質な「交雑種」が
黒毛和牛と称せなくなったためで、このため黒毛和牛は
さらに品薄になり高騰したのだそうです。


その名が「交雑種」であるために、かわいそうな地位にある
南山の産直牛「八千代黒牛」(メス)は、食べ比べ調査をした折
黒毛和牛の去勢やメスと並んで上位を争いました。


母牛のミルクの出を良くするために生まれてくる「国産牛」の中には、
「私のお父さんは立派な黒毛和牛です!」
と叫んでいる牛もたくさんいるのです。