yakinikunanzan会長の事業承継奮戦記

子育てと事業承継について

かっこいい大人の挑戦、フードアクションニッポン!

6月16日(土)は、三重県伊賀市にある愛農学園農業高校の「生徒意見発表会」に行ってきました。


愛農学園は、学園の農場でとれた生産物で食事の75%を賄う素晴らしい有機農業実践高校で、フードアクションニッポン2011の大賞を受賞しおられます。



前日からの授業参観や保護者交流は、前評判以上に楽しいもので、なんと、我が家のように実子を育てながら里子も育てている里親さんお二人とも出会い、意気投合!

佐賀県の里親さん、福岡の里親さんと、夜遅くまで里親ならではの「子育て」を話題に、しみじみと語りあうことができました。


「命をはぐくみ育てる」ことが、食においても子生み子育てにおいても脆弱になっている現代に、九州からも北海道からも、そして海外からも愛農高校に子どもを預ける親たちがいるぐらい、この学校は本当に素晴らしい学校なのです。


生徒意見発表会では、母のふるさと日本に留学し、愛農学園で農を学んだことから、自分がどれほど変わったかを完璧な日本語で流暢に発表する3年生の姿がありました。


彼は、海外で育ったために、日本語が全くできなかったどころか、人との交流もなく3つの塾に通って勉強ばかりしていたため、愛農高校へ来ることには、かなり抵抗したらしいのですが、結果3年生になって、こんな夢を語りました。


「自分は、農業は汚い、きつい、貧乏な仕事で、頭の悪い人がやるものだと思っていたが、愛農学園で学んで、『医者は病を治すけれど、農業は、よい食物をつくって人の病をなくす仕事だ。』ということが分かった。
愛農学園で3食いただく食事のおかげで、病気がちだった自分は風邪もひかない丈夫な体を持てた。
有機農業を学ぶことで、病をなくし、将来は獣医師になって、家畜にも良い食物を与え、病気にならないように育てたい」と。


会場からは、数少ない女子生徒が「○○くん、かっこいいです! 1年生のころは荒れていて、2年生までは意見発表の作文すら書かなかったのに、○○君はきっと夢をかなえると思います!」と涙ぐみながらのエール。


他の生徒たちの発表も、農業を営む親への尊敬の念を語る子、平和について語る子、「大人」について語る子、と、さまざまで、真摯な向上心をはぐくんでいる子どもたちの姿に感動しました。


「大人」について語った子は、「大人というと、ずるくて不機嫌で薄汚れた印象があるが、愛農高校では、夢に向かって活き活きと挑戦しているかっこいい大人にたくさん出会える。自分もそんなかっこいい大人になりたい。」と、ご自身の夢を、「保育士になって子どもに寄り添う仕事をしたい」と語りました。(こう語った子は、親が里親をしている姿を見て育ったステキなお嬢さんです)


親元を離れて寮生活を送る高校生たちと寝食を共にして向き合う愛農学園の先生方からは、親も生き方を深く学ばせていただけます。
そんな素晴らしい学校で、わが子はというと、バスケットボール部の部活動に夢中になって先輩方を敬語で特訓しておりました。


ところで、愛農高校は、マクロビオティックなオーガニック食を目指すクリスチャンの学校ですので、焼肉屋は、何とも肩身の狭い思いをせねばなりません。


でも、うれしいことに、職員室にはたまたま畜産の先生が購入された専門誌「畜産コンサルタント6月号」の100ページ目に出ている記事がコピーして貼ってありました。



「健康食・美容食として『赤身の国産牛』の消費拡大を!」と私が書いた文章です。


焼肉屋のおばさんは、さんざん肩身の狭い思いをしてきたからこそ、「人と牛とふるさとを育てる」幸せな畜産のあり方を模索し、放牧や、自給飼料、エコフィードを活用して、環境にやさしい健康な牛、人の食料と競合しない牛づくりを応援する焼肉屋を目指し、頑張っているのです。


7月19日には、近江牛専門店サカエヤの新保吉伸氏が取り組まれた、フードアクションニッポン2010優秀賞受賞の「プレミア近江牛」お披露目会を開催します。
自給飼料とエコフィードで育った地産地消育ちのプレミア近江牛のお披露目です。
https://www.mmjp.or.jp/ssl.nanzan-net.com/event/20120719.html


農家さんやお肉屋さん、専門家の先生方と一緒に学ぶ場をもって頑張ってきたことが、このたびの「プレミア近江牛」誕生にもつながりました。


農業において、人が幸せになるあり方は、家族が仲良く力を合わせ、子々孫々が誇りを持って仕事を継承していける姿ではないでしょうか。


サカエヤの新保社長から依頼された「プレミア近江牛」づくりへの挑戦を受けて立った木下牧場さんは、まさにその理想を生きるご家族で、父上後藤喜代一氏の理想を引き継ぎ、子や孫にその理想をつないでおられます。


愛農高校のかっこいい高校生に負けないよう、焼肉屋のおばさんも、かっこいい大人たちとの出会いを宝に、次代につなぐ価値ある仕事に一生懸命になりたいです。


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7月19日(木)の食事会には、フードアクションニッポン2009最優秀賞受賞のいわて短角和牛「プレミアム短角牛」もご用意していますのでお楽しみに。

お申込みはこちらからどうぞ!
https://www.mmjp.or.jp/ssl.nanzan-net.com/event/20120719.html